暖かい陽に包まれて ゆっくりと目を閉じる
深く息をして そこに見えるドアを開く
真っ暗で何も見えないけれど
その優しさが心地いい
そう目に見えるモノが全てじゃない
伝わってくる感覚
聞こえてくる音
さりげない甘い香り
この痛みは心の痛み
自分を守るために 置き去りにしてきた想いたち
後戻りはしないと決めて
再び歩き始めた
素顔の私は 過去を求めてるのだろうか
暖かい陽に包まれて ゆっくりと目を閉じる
深く息をして そこに見えるドアを開く
真っ暗で何も見えないけれど
その優しさが心地いい
そう目に見えるモノが全てじゃない
伝わってくる感覚
聞こえてくる音
さりげない甘い香り
この痛みは心の痛み
自分を守るために 置き去りにしてきた想いたち
後戻りはしないと決めて
再び歩き始めた
素顔の私は 過去を求めてるのだろうか
「もう決めたんだ。」
短く優斗が言う。
「理由は?
私にはそれを聞く権利くらいあるよね。」
奈緒の声がだんだん弱くなる。
「奈緒は何も悪くない。
俺が全部悪いんだ。
もう前のような俺には戻れない。
奈緒の気持ちが・・重いんだ。
ゴメン。」
優斗の中には辛い時を一緒に過ごす道は最初からないのだ。
これ以上、何をどんな風に言ったところで優斗の気持ちは変わらないだろう。
もう受け入れるしかないと奈緒は思った。
「わかったよ。
別れるよ。
最後に一つだけいいかなぁ」
「何?」
「私がここで優斗を見送りたい。
先に帰って。」
「ああ、わかった。」
優斗は歩き始めた。
しっかりとした歩き方。
迷いなんて少しも無いようで、一度も奈緒の方を振り返ることも無く。
ハァ・・、大きく息を吐き出す。
気持ちが重いって言われた時は、その場に倒れそうになるのをグッっと堪えた。
優斗は悩んで悩んで電話をかけ、そしてここに来たのだろう。
それがわかったから、何も言わず受け入れた。
そんな時・・、
「奈緒、今どこ?
日本史のノート見せて。」
明るい声が聞こえてくる。
泣くつもりなんて全然なかったのに、その声が聞こえた時、涙が止まらなくなった。
「陽子、私、優斗と別れちゃった。」
「えっ?
どういうこと?
泣いてたら何もわからない。
今どこ?」
「学校。」
「じゃあ、これから家においでよ。
いい、とにかく泣くのを止めて家においで。」
陽子の家の前まで行くと玄関の前でウロウロしながら待っている姿が見えた。
この部屋は 寒い
エアコンの設定温度を一度上げてみた
一人になってみると この部屋は広すぎる
キミの存在が懐かしい
片づけることをしない僕
そのくせ しょうもないことに拘りがある僕
『メンドクサイ性格よね~」そう言ってキミはいつも笑っていた
そんな毎日が ずっと続くと思っていたよ
キミは僕の傍にずっと居続けると思っていたよ
それが当たり前だと思っていたんだ
僕に会わずに出て行ったのはなぜ?
短い手紙を見つけた時
その状況を理解するのに間があった
思いもしない何かが起こった時 人は動きを止めるんだね
そしてゆっくりその事実を受け止める
一人の部屋は 広すぎて寒い
エアコンの設定温度をもう一度上げてみた
ずっと待っていた電話。
声が聞きたくて何度もかけたけど・・出ない。
そんな日は一か月以上続いている。
夏休み前、期末テストが終りクラスマッチが行われていたあの日。
そして明日からは二学期が始まる。
彼が、辛い目にあっていることを人づてに耳する。
一人で苦しんでいると思うと様子が何もわからない分、焦りに襲われる。
頭の中でいろんなことを想像したり、どうせ繋がらないとわかっている電話を何度もかけてしまう。
そんな時、電話のベルが鳴る・・彼からの着信音。
「俺、優斗。
話があるんだけど、時間作ってくれないか?」
「うん。
今日?
今、学校の近くにいるんだけど・・急ぐの?」
「じゃあ、これから。
グランドを見渡せるスタンドの一番上の辺りで。
俺は今から家を出る。
奈緒は自分の用事を済ませてくるとイイよ。
待ってるから。
じゃあな。」
声が沈んでいる。
久しぶりの電話なのに、嫌な予感がする。
別れ話、されるのだろうか。
時間が無いと断ることもできたが、先に延ばしたところで今の状況が変わるわけでも無い。
それに・・、別れ話だとしても、会いたい気持ちが大きくてグランドに向かう足は急いだ。
夕暮れ間近のグランドには誰もいなくて、奈緒の長い影だけが付いてくる。
そして奈緒の歩くサクサクという音が静かなグランドに響く。
息を切らして駆け寄る奈緒を優斗は黙って見つめていた。
「急に呼び出して悪いな。
そんなに急いで走って来なくたっていいのに・・。」
「本当よね。」
小さく笑って見せる。
久しぶりに見る優斗。
もう何年も会ってないような気がしていた。
「奈緒、俺たち別れよう。」
「えっ?
どうして?」
予想していたとは言っても、突然、それも何の前置きも無く『別れよう』だなんて。
私は犬を飼っている
今年の夏には12歳になる
今朝 友人でも何でもない人のブログを見ていると
その人の知り合いのワンコが虹の橋を渡った・・とあった
知らない人の所で起こっていることなのに
なぜか目の奥が痛くなる
自然と自分に置き換えている
一緒に暮らすと決めた日から それはわかっていること
10歳を過ぎたころから 時々その時のことを考える
私はちゃんと受け入れることが出来るだろうか?
自分がこんなに犬好きになるなんて思ってもいなかった
最近は顔も少し白くなってきた気もする
散歩も行くし ご飯もよく食べる
まだまだ大丈夫 一緒に暮らせるよ・・そう自分に言い聞かせる