沙耶はあてもなく歩いていた。


こういう場合・・、何か辛いことがあると何故か人はあてもなく歩く。


沙耶も例外ではなかった。


冷たい風が吹く誰もいない川沿いの道を歩いていた。


色彩を持たないこの季節は余計に寂しさを感じさせる。


辺りが少しずつ暗くなり、街灯に灯がともり始める。


沙耶の身体は冷え切っていた。


目からは休むことなく溢れてくるモノが頬を流れる。


その感覚も今ではもう無いに近い。


ほとんど意識を持たない状態。


長い間通い続けたこの道を覚えている身体が、脚が沙耶を家へと送り届けた。


カギを開け、玄関に倒れこむ。