「待たせてゴメン。」
「ホントにいいの?
こんなに長い間、休んだりして。」
「さあな。
帰って来ると俺の居場所、無かったりして・・。
でも、こうでもしないと周平の所なんて行けやしないじゃないか。
なんで、あんな遠くにいるんだろうな~。」
陸とのぞみは周平の居るドイツに行くことにした。
とは言っても、内緒にしている。
今、2人が飛行機に乗ろうとしてるなんて周平は知らない。
春菜に周平のスケジュールを聞いた。
行くなら、今しかない。
2か月くらいは居座るつもりの2人。
「私、こんなにワクワクした気持ちになったこと、これまでで初めてかもしれない。」
「俺も。
27にもなってするイタズラじゃないよな。
周平、きっと驚くぞ。
想像するだけで笑ってしまう。」
『ドイツ周平訪問ツアー』考えてみれば簡単なことだった。
周平はドイツにいるのだ。
会いたいなら自分達が会いに行けばいいのだ。
たったこれだけのことに気づくのに8年もかかるなんて、バカみたいだと2人は笑い飛ばした。
マンションのベルを鳴らす。
何度も鳴らす。
インターホンに周平の不機嫌な声。
それもそのはず、朝の5時半。
今朝3時まで仲間達と飲んでいた周平は、帰ってシャワーを浴びてさっきベッドに潜り込んだばかりなのだ。
こんな時間から誰??
イタズラかと思って当然。
不機嫌でも仕方がない。
「は~い・・・。
今、行きます・・・。」
(終)