偶然見つけた、
いつ来るか分からない15分のために常に準備をしているのがプロ、
デザイナー奥山清行による「ムーンショット」デザイン幸福論
http://gigazine.net/news/20110908_moonshot_design_cedec2011/
と、いう記事なんですが、
これが、鳥肌が立つほど素晴らしかったです
CEDEC2011の2日目基調講演
の80分の講演をまとめたそうなんですが、
奥山清行さんは、もちろん、
短時間で、この記事を書かれた方も尊敬。
パッション溢れる記事です。
記事の一部を、
抜粋して、シェアさせていただきます
凄まじくカッコイイです
ちゃんと読むと、
もっともっと、
素敵なので、
ぜひ、時間をとって、
全文読んでみてください。
ものすごいパワーをいただける記事でした。
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デザイナー奥山清行による「ムーンショット」デザイン幸福論
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(奥山さんがデザインした)
フェラーリ・エンツォという車は、
10年に一度の限定生産の車なんですけれども、
その販売価格が7500万円。残念ながら僕もまだ買えません。
中古車市場でこれ1台が大体1億3000万円くらいの車に
なってます。いまだに、売り出してから10年たっても
販売価格を一度も下回ったことがないという奇跡のような
車なんですけれども、この生産台数が399台。
なぜ399という変な数字なのかというと、市場調査をして、
何人の人がこの車を確実に買いたいかっていうのを調べたら
400人の人が僕は必ず買いますというふうに手を挙げた。
それに対して需要よりも1台少なく作れという創業者の
言い伝えに従って、フェラーリは399台で生産を実際に
やめたわけです。
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日本人ほど哲学とか倫理観とか教育レベルとか
そういったことの個人の力が高い国というのは、
僕は今まで経験したことがなかったのです。
ところが、そういう人たちを5人以上集めると
幼稚園みたいなもんでまるでまとまらない。
イタリアの方がよっぽどまとまる、アメリカの方が
よっぽどまとまるという現実に気がつきまして、
ひょっとして日本って団体力ないんじゃないの?
っていうことになり、僕の今までの仮説が逆転しました。
皆さん何となく思い当たる節があるんじゃないかと。
飲み屋に行くとすごいこと言うんです。仕事終わると
すごいこと言うんです。仕事の最中は黙って何も
言わないですね。黙って何も言わないくせに
何も考えてないかっていうと、当てると皆さん
すばらしいこと言うんです。僕はそれは卑怯だと思いまして、
自分が考えていることを、その場で決められた時間の中で
他の人とシェアしないのはプロとして犯罪に近いと考えています。
イタリアでそれをやると二度と会議に呼ばれません。
ところが日本はそれをやって、黙っている方が
会議に呼ばれるという、これは悪しき慣習だと思います。
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これからは、会社という組織が逆に膨れていくか、
どんどん崩壊していくか、その両方が
これからどんどんこの今後の50年間で起こってきます。
それで重要になってくるのが、これは日本経済新聞に
載せた記事なんですけれども、会社と個人、あるいは
自分のキャリア、仕事と個人というバランスシートがあって、
日本の特に若い人に強く言いたいんですけれども、
勘違いしているのは、若い人が特に勘違いしているのは、
自分は会社とか仕事から得るものだけ得て、一番得た
時点で次のステップに移っていくのがキャリアアップである、と。
実はこれ大きい間違いでして、自分が与えたものと
相手からいただいたものの中で、相手にあげた方の
大きい場合に、次の仕事につながります。
これはアメリカとかヨーロッパの契約社会で非常に
重要な考え方で、得たものよりも与えたものの方が
多いことが大切なんです。それでこの人間は優秀で
あるという名声が広がって、きちんとしたお給料なり、
それに対する対価をいただいて、次の仕事をもらうという
仕組みを作るのが、実はプロとして非常に大切なこと。
なんか高校の話みたいですみません。
プロの皆さんを前にして。ただ、非常にその基礎が
日本に帰ってきて成り立っていないのでびっくりしました。
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面白かったのは、日本のルイ・ヴィトンの社長の
プラトーさんという方とある講演で、ルイ・ヴィトンの
かばんは30万とか50万はしますよね、と話をしてたとき
のことです。僕はプレゼントでルイ・ヴィトンのかばんを
僕自身で買いたくてもなかなか買えないので、
安くしてもらえませんか?と大胆な質問をしたら、
うちは申し訳ないけどディスカウントはしません、と。
ただし、30万円のかばんを買えない人でも同じ素材を
使ってうちは5万円の財布を売ってます、財布という
カテゴリの中では一番高い商品です、5万円の財布を
買えない人には犬の首輪をうちは売ってます、
1万円で売ってます、猫の首輪ならもっと安いです、
いろんなそのキーホルダーならもっと安いです、と。
それぞれのカテゴリでは一番高いものをうちは売っていて、
決してディスカウントはしない、と。だけど同じノウハウ、
同じ素材を使っていろんな商品展開をしている、
だから実はルイ・ヴィトンというのはいわゆるブランド商品
ではなくて、ライフスタイル全体を提供しているものだ、と。
うちはかばん屋だからかばんしか売らないって言ったら
利益は実は大して上がらないし、マーケットに入ってくる人も
少ないです。でも同じノウハウでいろんな商品展開をして、
全体のライフスタイルを提供しているからうちは健全なんです、
ということを聞いて、これは感激しました。
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1959 年山形県生まれ。ゼネラルモーターズ社チーフデザイナー、
ポルシェ社シニアデザイナー、ピニンファリーナ社デザインディレクターを歴任。
エンツォ・フェラーリ、マセラティ・クアトロポルテなどの自動車やオートバイ、
電車、航空機、船舶、家具、ロボット、テーマパーク等
数多くの工業デザインを手がける。