前評判と初日を見ての思うところを述べる。
両横綱が不安を抱えての場所入り。
大の里は先場所負った左肩脱臼明け。稽古総見でも不安を覗かせた。
豊昇龍は左ひざの半月板が割れて水が溜まるということ。
この2人の出来は優勝争いに大きく影響する。
注目の初日、結果的には両者ともに快勝。一切不安は見せなかった。
大の里は一気の出足で一山本を電車道。前回は叩いて呼び込み、取り直しの持ち込むのがやっとだったが、今回はしっかり踏み込んで両手突きを跳ね返した。問題の左は強烈におっつけたというほど使った
わけではないが、出足に伴われて補助的に下から当てがい、相手を起こすことに貢献している。これをもって不安なく使えているというかは、意見が分かれるところだろう。
豊昇龍は先場所変化で不覚をとった若元春に、臆せずしっかり当たって差し勝ち、二本差しに成功。
俵に詰まって粘り腰を発揮しようという相手を、投げを打つように寄り倒した。テーピングこそしていたが、足を庇う様子などもなく、良い動きだった。
こちらも泳がされて踏ん張れるか、など患部に負担の掛かる体勢にならないと大丈夫とは言い切れないが、悪くない初日の内容だった。
なお、真新しい紺の締め込みで登場の大の里、おそらく関取昇進後初のカラー変更だと思うが、見た目は青よりも引き締まって見える。ただ、豊昇龍と同じ紺というのは、廻しの色愛好家としては正直避けて欲しかった。ツートップは見た目的にも対称性があった方が盛り上がる。また、青まわしをメインとする横綱も長らくいないことから、大の里には一定期間、せめて横綱時代前期の一区切りつくまでは締めて、自分の色にして欲しかったところだ。
もしかしたら、大の里に取っては先場所の初の休場(といっても1日だけだが)が一区切りで、隙のある初期の横綱時代と決別し、黄金時代の幕開けを目論むつもりだったのかもしれない。それならそれで、未だ昇進後優勝のない豊昇龍が、新たな色で心機一転を図るのを待ちたいと思う。
両大関はまずまず。
安青錦は宇良を前傾姿勢で追い詰めて、苦し紛れの掛け投げも問題にせず。相変わらずの落ち着きで、新大関くらいでバタつかない。
新三役を狙う義ノ富士の出足を受けた琴櫻は、突き起こされて下がったものの、腰は崩れず余裕を持っていなしてまわり込んだ。膝の不安を抱えて臨んだ先場所よりも状態は良さそうだ。