令和4年春場所千秋楽 | 三代目WEB桟敷

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千秋楽の攻防

 

2敗2人、3敗1人。

まずは琴ノ若、上手を取って前に出たが、豊昇龍得意の下手投げを食った。引きつけ甘く、投げを仕掛ける余裕を持たせてしまった。先場所に続いて本割敗れて脱落、巴戦の可能性は消えた。

 

続いて髙安。先勝したかったが、後半戦不調の阿炎の突き押しに受けに回ってしまい、横を向かされて不本意な完敗。今場所は見せ場なしに終わりそうだった阿炎が最後に魅せた。

 

割を崩して千秋楽結び、正代に勝てば優勝決定となる若隆景。ところが、差し身の良い大関が前に出てくると、圧力に屈して土俵の外。脅威の巻き返しを見せた正代は9勝止まりだが、終盤に存在感を発揮した。

 

なんと候補者3人全員負けて、2人による決定戦となった。

まさか高安が連敗して優勝ラインが3敗に下がるとは。

どうせなら巴戦が見たかった。

 

決定戦。

本割の反省活かして高安が体当たり。おっつけられてもうまく抜いて、左下手を狙いつつジリジリと圧力をかける。おっつけからいい形に組みたい若隆景だが、焦れたか叩きを見せる。少し引いただけだが、出足を呼び込んでしまった。勝負に出た高安の突き押しに後傾して土俵際に詰まった。とどめの左突きで押し倒し、と思われたが、バランスを崩しながらも脅威の粘りを発揮。踏ん張りつつ相手の左を引っ掛けるように手繰って右へ回り込むと、目標を失った髙安はツンのめり、なんとか靠れ込んで巻き込もうとするが、右で後ろミツを引っ掛けて出し投げ。剣ヶ峰から脱出した若隆景が初優勝を決めた。

 

双葉山以来の新関脇優勝、実に86年ぶりの快記録となった。

王鵬、琴ノ若と元横綱の孫が話題になる中、花開いた三世力士は、小結若葉山の孫だった。一躍大関候補にのし上がった。

先場所は平幕9勝なので昇進の土台にはならないが、照ノ富士が新大関になった時は、8勝での新三役昇進から13勝、12勝(優勝)と重ねて2場所で上がった。若隆景も続けて優勝を争うようなことがあれば、来場所にもチャンスはある。

 

高安は14日目に優勝に王手をかけてから、まさかの3連敗。大関時代の平成30年九州では勝てば決定戦の千秋楽に、すでに負け越している御嶽海に敗れて貴景勝に優勝を攫われた。昨春は一時2差をつけて首位に立ちながら終盤だけで4敗と崩れた。3度目の正直とはならず。

 

琴ノ若は前場所千秋楽の阿炎と優勝争い生き残りにかけた一戦が印象的。敗れはしたが、自信がそのまま今場所の活躍に繋がった。2大関にも勝ち、上位に上がる来場所も期待が持てる。