昭和39年春場所10日目 @アーカイブ場所 全勝柏鵬の並走はどこまで | 三代目WEB桟敷

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玉乃島突いて叩いてあっけなし。13枚目の房錦4勝6敗。

 

お互いに見合いながらの押しから、若天龍の引きに乗じて出た若羽黒、ようやく初日。

 

若鳴門が頭で突っ込んで両差し。名人鶴ケ嶺が右巻き替えて右四つで寄ったが、引き付けの効いていた若鳴門がうっちゃると、足が蛇目を掃いた。好調のベテラン3敗目。

 

出羽錦、右手を少し出しつつ珍しく正対して差しにいくと、二本のぞかせ、そのまま一方的に豊國を寄り切った。4勝6敗。

 

前田川が右、左と入れて両差し。沢光を寄り切った。沢光3連敗。

 

立合い右に動いた青ノ里が注文通り小手投げで仕留めた。給金相撲で連敗の小城ノ花は3敗に後退。

 

肩で当たって差し込もうとする若浪だが、金乃花が何度も突っ張っては頭でかまして組み止めさせず、靠れ込むように寄り切った。

 

淺瀬川、立合いで左が入ると、天津風に極められたが構わず前に前に積極的に攻めて寄り切り、星を五分に戻した。

 

右おっつけから右差し、さらに左上手で頭をつけた岩風。潜航姿勢から吊り身に回して寄り切るかと思われたが、踏ん張った羽黒川がさらにうっちゃった。

 

右四つ左上手の形を作った宇多川、海乃山の巻き替えに乗じて寄り切り。懸賞金を貰い忘れて二たび手刀を切った。

 

自分の間合いで立った羽黒山、左を差して出たが、立ち遅れた若秩父が残して押し戻す。右は抱えていたが、腕を伸ばして緩んだ一枚廻しを逆手で引っ掛けて引き寄せる。なんとも器用な上手の引き方だ。さらに上手を引き寄せてついに二枚、三枚としっかりと引きつけると、ここぞと出て寄り切った。立合いは勝った羽黒山、無策が仇。

 

両廻しの開隆山、若見山が泉川に矯めて堪えるのを、一枚廻しを拝むように押し上げて寄り切り。5勝5敗として終盤に三役復帰を賭ける。

 

いまだ白星のない常錦、掴んだ砂を揉んで当たると見せかけ、左変化。廣川に対応されて何もできずに土俵を割った、泥沼。

 

張り差しにいった北の冨士、左は差したが、富士錦も左差しの寄りがある。出足に屈して寄り倒された。6連敗。

 

突いて出た清國は、左上手を引き付ける。右差しで半身に構えた大豪、持久戦に持ち込み、清國が寄って出るところを下手投げから外掛けと逆襲に転じる。今度は清國が上手で半身になったが、思い切った上手投げが出鼻をとらえて投げ切った。先場所14連勝で臨んだ千秋楽に壁となった相手に、関脇同士となっての再戦で雪辱を果たした。うーん、先場所勝っていれば。全勝決定戦として伝説になるところだった。

 

1敗北葉山は上位戦突入。しかし2敗佐田の山に右おっつけ左のどわで起こされ、圧倒された。

 

栃光、左腕の故障で途中休場となり、不戦勝の柏戸は10連勝。

 

栃ノ海、両差し。豊山が抱えて起こそうとするが、上手を取られないように徐々に深く入った栃ノ海、食いついて外掛けから体を預けて寄り倒した。栃ノ海は3敗死守、豊山初黒星から3連敗。

 

大鵬は左が入ると、腕を返して明武谷を追い詰め、右では上から上段を押さえつけてさっと寄り切った。

 

2横綱が全勝を守り、後続に2差。

長い2横綱並立時代が終わった途端に、柏鵬時代らしい優勝争いが展開されている。

前年秋に楽日全勝決戦を演じたばかりの両雄だが、果たして再びその舞台が用意されるのか。番付順だと今場所も千秋楽となる。

<全勝>大鵬 柏戸

<2敗>北葉山、佐田の山