令和3年春場所中盤を終えて | 三代目WEB桟敷

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中盤戦も3大関は不安定なまま、10日間安泰は1日もなし。

 1敗で序盤を乗り切った朝乃山が3敗に後退。カド番貴景勝は4敗。正代は久しぶりの乱調、5敗で五分の星。

 序盤唯一5戦全勝だった平幕妙義龍は、中盤戦は5連敗。

 

 そんな荒れた展開の中迎えた8日目、1敗同士、関脇照ノ富士と小結髙安の元大関対決。

 髙安はむやみに体当たりせず、低くワキを固めて立った。照ノ富士の突き放しを堪えて右を深く差し、左も覗かせた。

 小手投げの強い照ノ富士に、しっかり腕を返して体を寄せ、胸は合わせず少しずつ掬っては出て、廻しも許さず。

 まさに理詰めの取り口で、大関復帰を狙う相手を完封。最後まで両差しを維持して寄り切った。

 すでに他の1敗力士はなく、髙安が単独トップに躍り出た。

 

 序盤から目立っている緻密で安定した取り口は綻びを見せず、10日目には目下4連敗中に苦手・大関貴景勝もを、

 2分を超える大相撲の末に右上手投げで豪快に転がした。落ち着いて大関の突っ張りを受け止めて頭四つ。

 互いに苦しいせめぎ合いだが、我慢して待ち、相手が焦って珍しく足技(蹴返し)を繰り出して崩そうとする機に左四つに組み止めた。

 この日、照ノ富士が星のあがっていない平幕志摩ノ海の粘りに合い、詰めを誤って3敗に後退。

 平幕の千代の国も敗れて、首位髙安との差は2に開いた。

 いよいよ元大関が在位中にもなし得なかった悲願を叶えるのか。

 ただ、兄弟子稀勢の里も早々と得た2差をすぐ吐き出した経験がある。油断禁物。

 

 星の潰し合いが激しく、関脇隆の勝も4敗。序盤4敗を喫した先場所の覇者・大栄翔は4連勝で五分に戻した。

 

 

 終盤戦に向けて髙安が逃げ切るのか。

 3敗の朝乃山、照ノ富士らが粘って追いつけるか。再び混戦になるようだと、他にダークホースが浮上するかも。

 

 照ノ富士の大関問題もいよいよ佳境に。

 序盤戦は余裕でクリアが見込まれたが、10日目の取りこぼしは前途に暗い影を落とした。

 7勝3敗で臨む終盤戦。

 マジック2などという報道も出ているのが不思議だが、

 当確が灯るのは4勝1敗で乗り切ったとき。

 3勝2敗なら大目に見ようとなるか。

 2勝3敗で二桁割ったらさすがになしだろう。来場所の昇進にもハードルが上がる。

 何とか二桁勝ち切り、今場所後に復帰を決めたい。