元大関の朝乃山(西前頭7枚目)が8日目に敗れ、全勝力士がなくなりました。これで1敗力士は関脇琴ノ若など4人となり、優勝争いはがぜん興味深いものになってきました。
北陸地方を襲った大地震で、石川県など被災地出身力士の勝敗も気になりますが、富山県出身の朝乃山、新入幕の大の里のほかは少々苦労しています。
相手のある勝負であり、なかなか思うようにはいかないのは当然です。でも、懸命にたたかう姿は、勝ち負けを超えて被災者の励みになっているはずです。
ところでテレビやラジオで相撲の解説を担当している舞の海氏(元小結)には少々がっかりしています。
北の富士さん(元横綱)が最近NHKの相撲解説に姿を見せなくなり、舞の海氏の出番も増えているようです。ただ、7目目のラジオでの発言には〝これが相撲評論家のいうこと?〟と、思わず耳をそばだててしまいました。
朝乃山が明生(めいせい=西前頭9枚目)を破ったあと、テレビの再生画面を見ながら首をかしげていたことに触れて舞の海氏は、完ぺきな相撲だった、としきりに強調しました。
朝乃山自身は取り組み後のコメントで、左からの攻めが思うようにいかなかった、あれでは上位に通用しないと語りました。
それを聞いて、そうか、朝乃山は直前の勝負だけではなく、その先まで考えているのかと感心しました。
しかし舞の海氏は、反省など必要ない完ぺきな内容だったと、こだわる。首をかしげたことについても疑問を口にする。
それを聞きながら〝この人、いったい何を見ているんだろう、ほんとうに相撲をやっていた人?〟と、それこそ首をかしげてしまいました。
現役力士が取り口を振り返って分析をしているとき、解説者が〝反省なんて必要ない〟なんて言いますか。
公共の電波に登場して解説するのは、本人が考える以上に影響があります。そんなときには、全力を尽くしてたたかっている力士の励み、参考になるような、節度のある話をしてもらいたい。自分はそう思っています。
解説者がそれぞれの考えでモノを言うのは自由です。
ただそれは、好き勝手なことをしゃべっても構わないということとは、ちょっと違うような気がするのですが、どんなものでしょうか。
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