名古屋場所は、横綱照ノ富士が優勝決定戦を制して、何とかカムバック優勝?を遂げました。この間、平幕力士の優勝が続き、番付ってなんだと厳しい声も上がっていただけに、なんとか恰好が付きました。
同時に、大関の存在が関心を集めた場所でした。
先場所に続いて3大関が初日、そろって敗れた時、果たして今場所はどうなるものかと思いましたが、結果は懸念通りになってしまいました。
カド番の貴景勝が負け越して大関陥落。先場所大関を陥落し、10勝すれば大関に復帰できるはずだった霧島は勝ち越すのがやっとで、返り咲きはならず。大関3場所目の琴櫻は、千秋楽に照ノ富士をやぶったものの優勝争いに絡むこともできず、豊昇龍は終盤の13日目から休場してしまいました。
横綱と並んで大相撲界の看板である大関陣がこれではね…。
力士だって人間ですから、いい時もあればうまくいかない時だってありますよ。それでも、大関の不振が今場所だけでないことを考えると、一言いいたくなります。
貴景勝。すさまじい努力と稽古で大関へ。さらに上を目指すには四つ相撲を身につけないといわれながらも、突き押し一筋でここまで来ました。すごい力士です。炭酸飲料を一切口にしないなど、食事にも気を使っていると聞きます。
しかし最近は、首を痛め、横から攻められて崩されたり、素早い動きについていけない取り口も目立っていました。
189㌢、175㌔の立派な体をを持つ大関3場所目の琴櫻。大きな体が繰り出す圧力は威力があり、土俵際での器用さも光ります。しかし今場所、霧島、豊昇龍、阿炎など自分よりずっと軽い力士の動きにほんろうされました。
両者とも、大きな体が弱点にもなっているのです。
もっと体を絞れば、動きの幅も広がる、はずなのに…。
大型化している相撲界で、そう簡単なことでないことは承知しています。それでも敗れた相撲を見ていると、もう少し体を絞って、敏捷な動きが出てくれば、もっと強くなるはずなのにと、もどかしくなります。
けが防止のうえでも重要なことです。
次代を担う大関は、もう少しわくわくするような相撲を見せてほしい、と思った場所でした。
(※ついにコロナに感染してしまいました。大相撲中継のテレビは見続けてきたものの、書く気力が沸いてこない。そのうえ千秋楽の原稿がぼやき。申し訳ありません)