本日も、大物力士を祖父に持つ、王鵬(おうほう)の話です。
5日目は、4連勝中の一山本(いちやまもと)と対戦。
立ち合い、ガツンとあたって踏み込んだものの、元気いっぱいの一山本に引かれてばったり前のめり。何もできませんでした。
十両から一場所で返り咲いたように、力はつけています。しかし、この日の相撲で見せたように、立ち合いの甘さ、相撲の厳しさはまだまだです。
父は元関脇の貴闘力(たかとうりき)、祖父は元横綱・大鵬。前日取り上げた琴ノ若と同様、〝超大物相撲一家〟育ち。小さい時から相撲になじんできて、素質は十分。幕内最年少の22歳。期待を集めます。
〝大物家族〟を身内に持った宿命で、相撲界に入門した時から、父や祖父と比べられ、まな板に乗せられてきました。
祖父は〝巨人、大鵬、卵焼き〟と騒がれた、当時知らない人がいないほどの人気力士。引退後は相撲博物館の館長も務めました。
その三女と結婚した父の貴闘力は、現役時代、闘志あふれる相撲で土俵を沸かせました。
一方で、本人も認めるように無類のばくち好き。あらゆる賭け事に手を出し、相撲が手につかない時期もあったという重度のギャンブル依存症。2010年、野球賭博にかかわって相撲界を除名されました。
そうした複雑な家庭の3男として生まれ、育った王鵬は、父や祖父と同じ相撲の道を選びました。彼らから精神的にも独り立ちするのは、大変だったと推測します。
しかし祖父や父の人生は、彼らのもの。それがどんなに偉大で、有名人であったとしても、最後は、自分の人生は自分で切り開く。それしかありません。
今はまだ大きく、重いと見られている王鵬のしこ名を光らせ、〝○○の孫〟から飛び立つ、ただ一つの道ですね。