悔しい思いをどう生かすか 新大関霧島 | ハッキヨイ!よっちゃん相撲日記

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 新大関の霧島は、名古屋場所を歯ぎしりする思いで見ているかもしれません。

 

  この場所は、大関初披露となるはずでした。

 番付発表では「さすが大関と言われるような相撲を取りたい」「モンゴル出身で大関になった力士はみんな横綱になっている。自分も(続きたい)」と強い決意を語っていました。

 

  それが「右肋骨(ろっこつ)挫傷」という思いがけないけが。場所が始まると、ともに競ってきた関脇陣などが次の大関に迫ろうとする活躍。

  胸のうちは、焦り、悔しさ、自身への怒りが充満していたかもしれません。

 

  でも、いまさらあがいても、どうしようもない。

 

  3週間の安静加療という診断のようですから、思ったより軽かったじゃないですか。

 

  昔、と言っても1980年代ですが、隆の里という力士がいました。霧島が生まれるずっと前の横綱です。恵まれた体、実力を備えていたものの、若いころから糖尿病で苦しんできました。

 

  糖尿病は人によっても症状は異なるそうですが、疲労感が激しい、体重が減り、目がかすむ、手足の感覚が低下するなど、力士にとっては実に厄介な病気です。そのうえ簡単に全治とはいかない。

 

  彼は酒を断ち、食事に最大限の気を使い、必死の努力の末、入門から82場所目という超スローで大関に駆け上がり、1983年の7月場所後、ついに30歳で横綱に昇進しました。

 

  ある学者は「これは医学では説明できない」と、強い精神力を称えたことを思い出します。医師から見ても、隆の里の糖尿病克服の取り組みはすさまじいものだったようです。

 

  当時NHKで「おしん」という人気ドラマがあり、それになぞらえて〝おしん横綱〟と、話題になったものです。 

 

 のちに鳴戸部屋を起こし、横綱となる稀勢の里などを育ててきました。

 稽古場でお目にかかったことがありますが、心を込めて一人ひとりを指導する姿が印象に残っています。分析力に優れた師匠でもありました。

 

  話がそれてしまいましたが、霧島の休場で、ふと隆の里関を思い出しました。

 けがや故障の経験も、決して無駄にはならないかもしれない、という気がしたのです。

 

  きちんと静養して、また元気に土俵に戻ってきて下さい。まだ27歳じゃないですか。

 

 ※3日目、注目の関脇で豊昇龍、若元春が敗れ、勝ちっぱなしは大栄翔だけ。前日、錦木に敗れた横綱照ノ富士は翔猿にも屈して2敗目。足の状態は相当悪いと見ました。

 

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