終盤を迎えた12日目の話になる。
関脇霧馬山が、大関貴景勝を破って大関昇進をほぼ確実にした。
その取組を見ながら、4年前の春場所の千秋楽の一番を思い出した。
関脇だった貴景勝が千秋楽に、大関栃ノ心を破った相撲だ。
貴景勝が勝てば大関昇進、栃ノ心が敗れれば大関陥落という、すごい組み合わせ。
〝大関入れ替え戦〟では、貴景勝が勝って直近3場所で33勝とし、大関に駆け上がった。
取組の後、栃ノ心が「俺が弱い、負けた方が弱い、勝った方が強い…」と、絞り出すように語った言葉が、いまも耳に残る。
今場所の〝大関入れ替え戦〟で貴景勝は、霧馬山の一方的な攻めにまったく太刀打ちできなかった。
大関に駆け上がろうとする者の勢いと、たたかう力が衰えつつある者を見せつけられた感じだった。
貴景勝は13日目に、立ち合いの変化で明生を破って勝ち越し、カド番はなんとか脱出した。しかし満身創痍の状態は変わらない。
どんな力士も、年齢とともに力も衰えていく。それとも格闘しながら、後に続く者に席を譲っていく。例外はない。
栃ノ心はあの時の大関陥落から、再び巻き返すことができなかった。
貴景勝が、けがだらけの体をいたわり、鍛え直して、ふたたび立ち上がってくるのかどうか。
そうした相撲人生から、なかなか目が離せないのは、多分、歳のせいだ。
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