若隆景は、あきらめない | ハッキヨイ!よっちゃん相撲日記

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 7日目、関脇・若隆景(わかたかかげ)と、新小結・翔猿(とびざる)の対戦。

 

 立ち合い、ひくい角度で頭からガツンとあたり合う。

 翔猿が下から突き、押して休まぬ攻め。若隆景の上体が次第に起きてしまい、あっという間に押し出されてしまった。

 一瞬の隙をつかれた、若隆景らしくない相撲だった。

 

 46場所かけてたどり着いた小結。翔猿がその力をつけていることを示した。 

 

 若隆景はこれで一歩後退。しかし、まだあきらめるわけにはいかない。

 

 前日、逸ノ城戦で見せた、気迫あふれる相撲で場所を盛り上げていく責任が、関脇にはある。

 

 逸ノ城212㌔に対して若隆景132㌔。80㌔差もある相手に、上から抱え込まれ、締め付けられる形になったが、頭をつけて我慢に我慢を重ねた。

 しびれを切らした逸ノ城が強引に前に出てきたところを、右から捨て身の下手投げ。巨体を土俵下に転がした。

 鮮血で真っ赤になった若隆景の顔が、激闘を物語っていた。

 

 照強、炎鵬など軽量力士が、機敏な動きで大きな相手をほんろうする活躍で土俵を沸かせてきた。しかし最近はその取り口が徹底して研究され、なかなか思うような相撲が取れずに苦労している。

 

 若隆景も、幕内では軽量だ。同時に132㌔というのは、思うように動ける体だ。

 

 立ち合いの変化など奇襲に頼らず、大きな相手にも真っ向から挑み、縦横に動き回り、粘る相撲で幕内優勝を遂げ(春場所)、大関まであと一歩のところにきている。

 

 元横綱の武蔵丸(現武蔵川親方)がある雑誌で語っていたことが面白かった。

 

 「若隆景をみんな絶賛しているけれど、僕に言わせれば他のお相撲さんたちがデレッとしていて動きが遅いんだよ」

 

 翔猿が見せたように、〝デレッ〟とせずに本気と本気がぶつかれば、土俵は盛り上がる。面白くなる。

 

 中日(なかび)からの相撲が楽しみになってきた。

 

 

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