あちこちで「AOKI」の店舗をよく見かけます。就職スーツなどが専門のようで、ほとんど入ったことはありませんが、どこの店を見ても、客で混んでいるところをあまり見たことがありません。
こういう店がどうして次々に店舗を広げていけるの?。いつも頭をかしげていましたが、今回の事件を見て、あ、なるほど、そういうところで稼いでいるんだと、ストンと納得しました。
昨年のオリンピック、パラリンピックにからんで大会組織委員会元理事と、選手やボランティアの公式制服などを一手に引き受けた紳士服大手のAOKIホールディングスの元役員らが17日、受託収賄、贈賄容疑で逮捕されました。
昨年、国民の厳しい批判、反対の声をも押し切って東京五輪、パラリンピックが強行されましたが、観客不在にしてまでなぜ強行するのかという背景が、すこし見えてきました。
大会組織委員会の元理事は、収賄の直接の対象とされているAOKIからのコンサルタント料を受け取っていたことを認めたうえで、「なぜそんなものが事件になるのか」とうそぶいているようです。つまり裏で実際に動いた金は、そんなものではなかった、5100万円ぐらいで、なぜそんなに騒ぐのか、という感覚なのでしょうか。
AOKI側が大会スポンサーとなったのは2018年。当時の大会組織委員会会長は、その後女性への蔑視発言で辞任に追い込まれた森喜朗氏。
〝スポーツ界のレジェンド〟、キレモノと言われた元理事の尽力があったとはいえ、正式スポンサーに決まったAOKI側が、森会長らに〝あいさつ〟をしなかったなど考えられません。
世界最大のスポーツの祭典を〝利権と儲けの場〟にしてゆがめてきた中心人物と構造、実態を、東京地検特捜部は、今度こそ、なんとしても、国民の目の前にさらけだしてください。
政治家もぞろぞろ出てくるかもしれませんし、圧力もかかるかもしれません、でも、そういう薄汚い実態を白日の下に晒せば(さらせば)、スポーツを金儲け、利権の場にしようとたくらんでいる連中の動きを少しでも食い止めることになる、かもしれない。
昨年、五輪、パラリンピックが強行されたとき、自分はこのブログで「カネのために選手の命や健康を2の次3の次にしていいわけがない」(2021年8月5日付)、「今夏のオリンピックは選手第一とは無縁の大会だった。ゆがんだ、大会の強行にメスを入れず〝日本、また金メダル〟と大騒ぎした報道も厳しく問われる」(2021年8月8日付)と、かなり熱くなりました。
東京地検特捜部さま。喝采を浴びるようなかっこいいところを、今度こそ見せてください。途中で腰砕けになったら、ストレスがたまっている国民から、愛想をつかされますよ。
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