軽量力士にとっても、終盤戦は正念場です。
十両の炎鵬(えんほう)は、松鳳山(しょうほうざん)戦。取り直しの一番は、炎鵬が低い角度から攻めたものの、あっけなく敗れました。
松鳳山も135㌔と小柄ですが、97㌔の炎鵬は松鳳山の厳しい突きに吹き飛ばされました。これで7敗目。後ろに余裕がなくなりました。
117㌔の照強(西前頭11枚目)は、174㌔の豊山と対戦。立ち合い、目の前でパチンと猫だましを繰り出し、頭を下げて互角の押し合い。次の瞬間、右からひねっての巻き落としが見事に決まり、豊山が背中から落ちました。
今場所の照強は体調万全ではなく、右ひざにテーピング。体も少ししぼんでいます。それでも気迫は変わらず、最後の仕切りでは大量の塩をまいて、奮い立たせています。
「自分たちのような軽量は、終盤になると疲れがどっとたまってくる。炎鵬は場所前に比べて体重が3、4㌔も減るそうです。最後の3日間など食欲もなくなると言ってました」
照強からそういう話を聞いたことがあります。
100㌔前後の体で、毎日、巨漢力士とたたかうのですから、無理もありません。
それでも二人とも立ち合いで変化することはほとんどもなく、大きな相手に真っ向から挑み,翻弄してきました。醍醐味は彼らの相撲しかない、と言っても過言ではないかもしれません。
「この体だからこそ取れる相撲がある、応援してもらえる。それでここまでこれたと、二人で話すこともあります」と照強。
小柄な力士がより闘志をかき立てる終盤の土俵は、最後まで目を離せません。