今年最後の本場所は、横綱照ノ富士(てるのふじ)が全勝優勝で締めくくりました。
前日、優勝を決めた後「(挑戦者は)全部受けて立つという気持ちでやってきた」と語りました。千秋楽の大関・貴景勝(たかけいしょう)戦も、相手の動きをじっくり見ながら、慌てずに攻めました。
その相撲を見ながら、「若い時の苦労は買ってでもせよ」という古いことわざが、頭をよぎりました(歳がわかりますね…)。
天にも昇る勢いの大関から転落し、何度も相撲をやめようと思い続けた毎日。そのどん底から再び這い上がろうと死に物狂いで葛藤し、努力してきたものは半端ではありませんでした。
その苦労に無駄なものは何一つなかった、のですね。古いことわざは今も生きてる、のかもしれません。
場所前に自分は「次の相撲界を担う力士がぜひ出てきてほしい」と本欄で書きました。
しかし期待された若手力士は、なかなか力を発揮させてもらえませんでした。来年はもっと力をつけたところを是非見せてほしい。
一方で、大栄翔(だいえいしょう)、隆の勝(たかのしょう)、宇良(うら)、若隆景(わかたかかげ),、そして再入幕の阿炎(あび)など中堅の力士が力強い相撲を見せました。
大関昇進がしばしば話題になる関脇御嶽海(みたけうみ)は11勝4敗。その彼が前日、「(10勝したのは)よかったです。気持ちいい」と語ったコメントには、少々驚きました。
マジでそう思ってますか。あなたに期待されているのは、次の大関であり、横綱であり、そのための優勝です。にもかかわらず、早々に優勝争いから脱落し、平幕の3力士にも敗れました。
これぐらいの成績で満足している場合じゃないでしょう。
入門者の減少など大相撲界のすそ野は年々狭まっています。攻防ある面白い相撲と、有力な力士が増えていけば、大相撲界には大きな刺激になります。
新しい年の場所がその一歩になってくれることを願っています。
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