〝諦めが悪かった〟 松坂引退 | ハッキヨイ!よっちゃん相撲日記

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 プロ野球・西武の松坂大輔(まつざか・だいすけ)投手がついにユニホームを脱ぎます。1998年の夏の甲子園で、横浜高校のエースとしてPL学園戦で17回の延長戦を投げぬいた試合を見てきた自分にとっても、特別の感慨があります。

 

  19日の引退会見で、自分を褒めるとしたらどういう点かと問われ、「あきらめの悪さをほめてやりたい」と答えたのを聞いて、松坂らしいなと、ニヤリとしました。

 本当に〝あきらめの悪い〟選手でした。

 

  高校時代から注目され、日本のプロ野球を代表するピッチャーとなり、米大リーグでも活躍。しかし、日本に戻って、あちこちの球団を渡り歩いたものの、なかなか思うような活躍ができませんでした。

 高校時代の鮮烈な活躍と、日米プロ野球でのプレーを見てきたファンからすれば、日本復帰後の松坂はあまりにも物足りなく、非難もされました。

 球場で「高い金、もらってるんだろ!」みたいなことを言われたという報道を見たこともあります。あれだけたたかれれば、普通の選手なら、とっとと白旗を挙げています。

 

  しかし彼はそれに耐え、好きな野球を続けたいと、あきらめなかった。

 「非難を、逆に力に変え、跳ね返してやろうと思ってきた」そうです。その気持ちを率直に語った発言には共感しました。

 

 〝平成の怪物”ともいわれました。高校時代から活躍をしていれば、普通なら肩をはじめ体はあれだけ持ちません。プロ入りしても数年で引退していく選手を、数えきれないほど見てきました。

 

 それをプロだけでも23年間続けてきた。松坂は別格、やはり怪物かとも思っていました。

 でも彼は「現役23年間の半分以上が故障とのたたかいだった」と打ち明けました。注目され続けてきた彼も、最後はボロボロになり、非難を跳ね返す力も湧いてこなかった、と。

 

 スポーツマンとしても日々葛藤し、自分と向き合ってきた、普通の人間でした。怪物でも何でもなかったんですね。

 最後の最後になって本音が聞けて、ほっとしました。

 

 しばらくはゆっくりして、現役時代以上に長い新しい人生に挑戦してください。