五輪の開会式がどんなものになるかいっさい明らかにされていないので、全く分かりません。推測ですが、大相撲の扱いをめぐって東京五輪組織委員会の関係者や相撲協会のあいだで議論が起こっている気がします。
1998年の長野冬季五輪の開会式でも幕内力士の土俵入り、さらに横綱曙(あけぼの)の土俵入りが行われ、世界にアピールしました。組織委員会などは、今回の五輪開会式でも〝わが国固有の伝統文化〟として大相撲の出番をつくりたいと考えているのではないでしょうか。
モンゴル出身の横綱白鵬はかねてから、オリンピックまでは現役を続けると、たびたび表明してきました。父はモンゴル相撲の英雄で、1964年の東京五輪にレスリング選手として出場しています。57年を経てその息子がふたたび東京五輪へ。白鵬の長年の夢でした。
考えてみればすごい話ですが、相撲協会はこの展開に苦虫をかむ思いをしている気がします。
〝一代年寄は異形の資格〟とか、〝外国出身力士の土俵内外における態度や不行跡は師匠の指導不行き届き〟(4月の有識者会議提言書=八角理事長の諮問機関)など、最近の大相撲界での白鵬にたいする風当たりは相当なものです。そういうときに、その白鵬を大舞台の主役にするのはどんなものか。悩ましい議論が行われていてもおかしくありません。
白鵬の相撲や行状については自分も、率直な意見を言ってきました。しかし日本出身力士ではなしえなかった大記録を次々に打ち立ててきた第一人者です。幕内での優勝回数に至っては、今後これを更新する力士が出てくるかどうか。それは日本人力士では考えられないような努力で打ち立ててきたものです。東日本大震災が発生した後は、力士会会長として支援活動の先頭に立ってきました。
異国出身だからと排除するより、〝ハワイ出身であろうとモンゴル出身であろうと、日本では広い心で受け入れ、みんな活躍してます〟とアピールした方が、世界の共感を集め、評価もぐんと高めるのではないでしょうか。
それよりも、今は、五輪の強行より国民の命を守ることのほうが大事じゃないか。と、自分は思っています。
