怪しいDMの招待を問い詰めたところ、彼は「練習するつもりだった。体だけなら浮気にならない」ととんでもない言い訳を始めました。
「俺は、浮気って心も付いてきて初めて浮気だと思うから、だから体だけの練習は浮気じゃない!!」
彼の口がパクパク動いているのを眺めながら、彼の言葉は頭に入ってきませんでした。
浮気ってどこから?とよく議題にされる問題かと思いますが、
『心が移っていなければ何をしても浮気ではない』
という価値観の人には、26年生きてきて出会ったことがありません。
「今日は冷静に話できない。帰って」
彼は何か言っていましたが、私がなにも話すつもりがないと分かった彼は静かに帰っていきました。
その日はどうしたか覚えていません。
ショックでも次の日はやってくるし、仕事に行かなければいけない。
こんな時も通常通り目が覚めて、ちゃんと準備を始めてしまう自分の性格に感動していました。
その日、茫然としながらも仕事を淡々とこなしました。
休憩中に写真を見返し、彼の隣で幸せそうに笑う自分を見ては、心臓がキュッと締め付けられる思いでした。
帰宅すると、彼が玄関の前にいました。
彼を無視して家の鍵を開け、一人で入って閉めようとするドアの隙間から、彼は手を伸ばしてきました。
「話をさせてほしい、どうしても別れたくない」
近所迷惑になると考えてしまった私は、しぶしぶ彼を家に入れました。
しかし、彼をいない存在として無視し、そのまま夜ご飯の準備を始めました。
彼は私の足元に土下座し、何度も何度も謝ってきました。
人の土下座する姿を見たのはそれが初めてでした。