全ては深夜に起こった。
住民からは不振にも思われなかったが、
見事に聳え立つオベリスクは、その意味を示さなかった。
既にその土地は相続関係が無数に広がり、国有化の話が出ては来ていた。
そこに、無人操作型建設機器が夜な夜な集結し、いたるところの管理放置された資材が集まった。
誰の所有か不明のまま、巨大なオベリスクが、深夜に完成したのだ。
その瞬間、
各地の医療機関で、事故が発生した。
ICU(集中治療室)が一斉に機能停止した。
死者は4万人を超えた。
24時間後に、深夜はまた来る。
AIは、沈黙していた。
夜獣ー1-