左目が見えていないのが解ったのが、12歳の時だった。
確かに左側に、よく怪我をしていた。
治療すれば見えるようになるかもしれないと、
治療を始めた。
確かに見えるようになったが、
すでに、
右目の情報だけで、画像処理をしていたので、
いきなり左目の情報を送られて、
二重の画像を受け入れるか、遮断するかの選択を、
脳は僕に求めた。
確かに、
二重の視界は、
とてつもなく煩わしかった。
そしてその時僕は左の情報を遮断することに決めた。
それから1年。
何時も通りに暮らしていたが、
ふいに、左の体が無くなっているのに気付いた。
続く