唐突に叫んでしまいたい言葉のひとつに東京特許許可局というのがあるが、そんなことより今日は「蒸し暑い!」と叫び出したい心境であった。本日も汗びっしょり。んあ~ビール飲みたい。。。


ビールを我慢してブログを書く。ここんとこ仕事ばかりでビビッドなこと特になく本日は何について書こうか悩んだ挙句、尊敬申し上げる荻原魚雷さんについて書くことにする。


なに大丈夫よ


荻原氏は69年生まれのフリーライターでエッセイストで書評家であられる。著書に「借家と古本」(スムース文庫、コクテイル文庫)「古本暮らし」(晶文社)、編著に「吉行淳之介エッセイ・コレクション」(ちくま文庫)がある。

最初に名前をお見かけしたのは確か岡崎武志氏の古本エッセイか何かでなかったか。個性的なペンネームゆえ一発で覚え、それから氏のブログを見つけ拝読するようになりファンになった。以降、ブログの内容などを抜粋したエッセイ集が出る度興味深く読ませてもらっている。古本好きの作者の等身大のエッセイが実に素晴らしい。

文壇高円寺 http://gyorai.blogspot.com/


氏のエッセイからはいろんなことを教わった。古本好きの荻原氏が紹介してくれる本は自分の知らない作家のものだらけでおまけに内容の濃いものばかりだった。尾崎一雄、中村光夫、青山二郎、菜根譚まで。実は自分が知らなかっただけで高名な作家ばかりだったのであるが(恥)、氏の文章に導かれるままそれら作家の著作を読んでみて後頭部をハンマーで打たれたような衝撃を受けること多数。非常に感銘を受ける作品が多かった。

荻原氏のエッセイは読んだ作品(主に古本)から言葉を拾い、それに対して思ったことを綴るスタイルなのであるが、この言葉を拾ってくるセンスがまず素晴らしい。いわゆる書評といえば書評なのだろうが、その作品や時にその作家と自身を対峙させ語り進むその書き方は単なる書評の域を超えている。


~生活の持続を考えながら、限界を踏みこそうとするのは矛盾している。どうしようもない矛盾だ。そうした矛盾の中で「精神の緊張度」の高いものを書いていけるかどうか。 (文壇高円寺より)

作家と生活のスタンスについて書かれた一文。こういう、読んでいて頭のなかでパチンと指が鳴るような腑に落ちる文章多数。何度元気をもらったことか。。。


なに大丈夫よ


もうすぐ氏の新刊「活字と自活」が出る。新著発売を記念して地元中央線で古本トークが開催される。


7月11日(日) 第44回西荻ブックマーク「つれづれなるままに古本」

出演 / 荻原魚雷 X 向井透史(古書現世)

会場 今野スタジオマーレ

開場 16:30 開演 17:00 料金 1500円

定員 30名 要予約


当日、トークのお相手を務めるのは早稲田にある古書現世、向井透史氏。向井氏も「早稲田古本屋日録」というこれまた素晴らしい名エッセイを書いている凄い方。どんなトークになるのか、今から非常に楽しみだ。


現在の古本を取り巻くその界隈には優秀かつ興味深い人々が非常に多い。自分の場合、そのほとんどの情報の入口は岡崎武志氏の著作からであったと思う。

荻原魚雷氏、向井透史氏、 南陀楼綾繁氏、山本善行氏、扉野良人氏、林哲夫氏、田中美穂氏、内堀弘氏など、個性的かつ優秀な人々そのほとんどを岡崎氏の人脈から知ったと思う。近くそんな岡崎さんのことにも触れてみたいと思う。