寒い朝
寒波の予報。
実家に帰っている間に雪まで降りそうだ。
久々にブーツを履いて帰ろうと思う。
4時起きで6時には家を出る。そんなに早く起きる必要もないのかもしれないけれど、余裕がないと落ち着かない。判断を間違いそうな気がする。7時前には空港に着いた。
手荷物検査を受けて、搭乗口へ向かう途中、
どうにも足が床にへばりつくような違和感を覚えた。見下ろしてブーツを見ても特に何もない。そのまま歩こうとしたけれど、今度ははっきりとブーツが床にくっついているような感覚があった。再度立ち止まり、違和感のある右足をそっと上げてみると、
右足のブーツの先から赤い靴下が見えた。
これは目の錯覚、見間違いかもしれない
もう一度やり直し。そして、もう一度、上げてみる。
ああぁぁ。
どこかで見たことのある状況。
漫画だぁと、思う。
仕方ない、どこまで破れているのか、わからないけれど、どうにか実家まで頑張るしかない。
恥ずかしいけど、あまり上げないようにすって歩けばどうにかなるか。それしかないし。
ガンバレ、自分。
鼓舞しながら、全神経を右足に集中し、人目を気にしながらゆっくりとタラップを上がって席に着いた。とりあえず、ほっ。
もしかしたら、どこかで、いや、いたるところで、内心驚いていた人がいたかもしれない。仕方ない。笑いは大事。色んな人に笑顔をあげたことにしよう。
五島の空港に着いて、さて降りようかと立ち上がると、んんん?
左足の赤い靴下もまた顔を出し始まていた。
ああ、神様。
一体どこまで外れているものかと思うけれど、それこそ確認してしまうと取り返しのつかないことになりそうで、足元を見ないようにして、スリスリ歩いてタクシー乗場へ。真正面からタクシーに向かっていたから、運転手さん明らかに気付いたよなと思いつつ、話題は避ける。ひたすら恥ずかしい。
どうにか家にたどり着きました。
ホッ。
因みにブーツは10年越しのそれで、メンテナンスはしていたといえ、耐久年数オーバーだったかな。
靴底の前半分は左右とも縫目にそってきれいに外れてました。
駄目になる前にもっと優しい予告はないものかと、物持ちのいい身としては思うのでした。


