夜は、いろんな話しをした。ずーっとずーっと、話しをした。話しははずんだような気がするし、ずっと続いたし、彼の話しを聞くのも、楽しかった。でも私は、列車での彼の、何度かのそっけない態度を忘れていなかったし、私とこれからも連絡をとりたい様子がないこととか、ホテルの住所も、なくしていたり、したこととかを思って、彼はきっと、私が、ベッドが3つあるって言ったことに安心して来たんだって思った。そして一人で眠りたいだろうって思っていた。でも彼は、私が何度か、大丈夫?疲れてるんじゃない?もう寝よう?と言っても、大丈夫大丈夫って言って、ずっと話しを聞いてくれたし、彼も話し続けた。
でも時間も夜中の2時になって、さすがに私もとっても眠たくなってきたし、もう寝ようか、って私が立ちあがると、彼がベッドルームの前の、小さな2つの2段ベッドと、バスルームの間の細い通路で、私を待っていて、私をぎゅーっと抱きしめて、頬におやすみのキスをしてきたから、あれ、と思った。この様子。でもそれでも私はお休みを言って、ベッドルームへ行って電気をけして、ベッドライトの明かりで、ベッドに入った。それでも彼は、ベッドのそばに立って、話しを続けて、それからちょっと、ベッドへ腰をおろして、そしてベッドに横になって、ここで眠ってもいいか、って、聞いた。
いいよ。
と私が言うと、彼は安心したみたいに、ベッドに横に、なりなおして、それからまた、少し話していたら、眠ろうかって、彼が電気を消して、私は、このまま眠ればいいのに、彼に、ふれた。そうしたら彼は、次の瞬間に、私の方へぐっとよって、顔を、私の顔に、つけて、そして唇がふれて、少しの間、キスをした。キスは優しいキスから、少しずつ、大胆になって、それから彼は、ぐっと私を持ち上げて、私を彼の上に重ねた。
でも実は、この日の私は生理中。生理だから、できない、、と、私が言うと、彼はふふふと笑って、I know、と言った。Its ok とも、言った。私は彼が、私が生理だって、気がついているって、知っていた。だって、電車でずっと一緒だったんだもの。私が、トイレに立つたびに、小さなポーチを持っていくのを、見ていたこと、知っていたんだもの。
それならどうして、はじめたのかな。
いろんなことを、思った。生理だから、最初は、とくに、そこまでして、来ようと、思わなかったのかもとか。来ようと決めたのは、とても疲れてベッドで眠りたくなったからかもしれないし、私が電話をして、それを push したのかもしれないし、または、その夜の長い話しの中で、少し、なにかつながれたからなのかも、とか。言葉もなく、頭の中で、ただそんなようなことが浮かんだり、消えたり、していた気がする。
でも彼のセックス(と言っても、途中までだけれど)は、意外にも、とっても乱暴だった。体に触れるのも、押さえつけるような、乱暴な感じで、胸にふれるのも、私の嫌いな感じの、痛い感じの、それでときどき私は痛い、と言わなければいけなくて、そのたびに彼は、ごめん、ごめんね、と謝ったりした。彼の話す声は、変わらずに優しかったから、彼の優しい声にほっとしたり、乱暴さに、がっかりしたりした。
そして夜、私は、抱きしめて眠って欲しかったけれど、彼はあおむけになってしまったから、私もあおむけになって、眠った。彼に触れたかったけれど、触れなかった。私、抱きしめて、眠って欲しいんだ。そうじゃなければ、愛されてないっていう想いに傷ついてしまう。誰か男の人で、心底惚れていても、抱きしめて眠らないよ、セックスの後はあおむけで寝ちゃうよ、っていう人、いるのかな。わからないな。でも抱きしめたりするのは、やっぱりきっと、愛おしい想いから来るんだろうから、好きだったら、きっと、手をまわすよね。自然に、きっと、そうしてしまうんじゃ、ないかなぁ。
それに私は、彼が、protection を持っていないのに、はじめたことも、頭をぐるぐるとめぐっていた。これまでの優しくて、誠実な印象が、無責任さに、変わった。私なのかな。私が人を、私に、不誠実に、させるのかな。私は誰かにとって、こんな風に、すぐに、どうでもいい存在に、なってしまうのかなぁ。私の思考はとまって、胸がぎゅうっとしめつけられるみたいに、痛かった。傷ついても、痛くならなければいいのに。どうして胸は、痛むんだろう。