Days of Summer Clancy -7ページ目

夜は、いろんな話しをした。ずーっとずーっと、話しをした。話しははずんだような気がするし、ずっと続いたし、彼の話しを聞くのも、楽しかった。でも私は、列車での彼の、何度かのそっけない態度を忘れていなかったし、私とこれからも連絡をとりたい様子がないこととか、ホテルの住所も、なくしていたり、したこととかを思って、彼はきっと、私が、ベッドが3つあるって言ったことに安心して来たんだって思った。そして一人で眠りたいだろうって思っていた。でも彼は、私が何度か、大丈夫?疲れてるんじゃない?もう寝よう?と言っても、大丈夫大丈夫って言って、ずっと話しを聞いてくれたし、彼も話し続けた。


でも時間も夜中の2時になって、さすがに私もとっても眠たくなってきたし、もう寝ようか、って私が立ちあがると、彼がベッドルームの前の、小さな2つの2段ベッドと、バスルームの間の細い通路で、私を待っていて、私をぎゅーっと抱きしめて、頬におやすみのキスをしてきたから、あれ、と思った。この様子。でもそれでも私はお休みを言って、ベッドルームへ行って電気をけして、ベッドライトの明かりで、ベッドに入った。それでも彼は、ベッドのそばに立って、話しを続けて、それからちょっと、ベッドへ腰をおろして、そしてベッドに横になって、ここで眠ってもいいか、って、聞いた。


いいよ。


と私が言うと、彼は安心したみたいに、ベッドに横に、なりなおして、それからまた、少し話していたら、眠ろうかって、彼が電気を消して、私は、このまま眠ればいいのに、彼に、ふれた。そうしたら彼は、次の瞬間に、私の方へぐっとよって、顔を、私の顔に、つけて、そして唇がふれて、少しの間、キスをした。キスは優しいキスから、少しずつ、大胆になって、それから彼は、ぐっと私を持ち上げて、私を彼の上に重ねた。


でも実は、この日の私は生理中。生理だから、できない、、と、私が言うと、彼はふふふと笑って、I know、と言った。Its ok とも、言った。私は彼が、私が生理だって、気がついているって、知っていた。だって、電車でずっと一緒だったんだもの。私が、トイレに立つたびに、小さなポーチを持っていくのを、見ていたこと、知っていたんだもの。


それならどうして、はじめたのかな。


いろんなことを、思った。生理だから、最初は、とくに、そこまでして、来ようと、思わなかったのかもとか。来ようと決めたのは、とても疲れてベッドで眠りたくなったからかもしれないし、私が電話をして、それを push したのかもしれないし、または、その夜の長い話しの中で、少し、なにかつながれたからなのかも、とか。言葉もなく、頭の中で、ただそんなようなことが浮かんだり、消えたり、していた気がする。


でも彼のセックス(と言っても、途中までだけれど)は、意外にも、とっても乱暴だった。体に触れるのも、押さえつけるような、乱暴な感じで、胸にふれるのも、私の嫌いな感じの、痛い感じの、それでときどき私は痛い、と言わなければいけなくて、そのたびに彼は、ごめん、ごめんね、と謝ったりした。彼の話す声は、変わらずに優しかったから、彼の優しい声にほっとしたり、乱暴さに、がっかりしたりした。


そして夜、私は、抱きしめて眠って欲しかったけれど、彼はあおむけになってしまったから、私もあおむけになって、眠った。彼に触れたかったけれど、触れなかった。私、抱きしめて、眠って欲しいんだ。そうじゃなければ、愛されてないっていう想いに傷ついてしまう。誰か男の人で、心底惚れていても、抱きしめて眠らないよ、セックスの後はあおむけで寝ちゃうよ、っていう人、いるのかな。わからないな。でも抱きしめたりするのは、やっぱりきっと、愛おしい想いから来るんだろうから、好きだったら、きっと、手をまわすよね。自然に、きっと、そうしてしまうんじゃ、ないかなぁ。


それに私は、彼が、protection を持っていないのに、はじめたことも、頭をぐるぐるとめぐっていた。これまでの優しくて、誠実な印象が、無責任さに、変わった。私なのかな。私が人を、私に、不誠実に、させるのかな。私は誰かにとって、こんな風に、すぐに、どうでもいい存在に、なってしまうのかなぁ。私の思考はとまって、胸がぎゅうっとしめつけられるみたいに、痛かった。傷ついても、痛くならなければいいのに。どうして胸は、痛むんだろう。



ホテルについても、今夜、彼が来るかどうかで、頭がいっぱいだった。私は彼のことを、素敵な人だと思ったけれど、惚れたわけではなくって、でも彼が、私にもう一度会いたくて、ここへ来て欲しい、と思った。空港で眠るより、ホテルで眠りたいからじゃなくて、疲れているから、ゆっくりシャワーをあびたいからじゃなくて、私に会いたいから、来て欲しいと思った。こういうのは、なんでなんだろう。だけど惚れられたら絶対にいや、と、誰かに思ってしまうようなときもあるんだから、やっぱりやっぱり、惹かれているから、好きになって欲しいと、思うんだよね。人を嫌いと思う気持ちはとってもわかりやすいのに、人を好きと思う気持ちは、ときどきとても、不鮮明。


だけど夕方になっても電話はならず、それで私は考えて、電話をしてみた。空港に泊まることになったんだったら、それはそれでいいんだし、友達なら、きっと連絡して、今夜大丈夫になった?って聞くくらいするんだし、空港にとまるなら、それはそれで、いい旅を、って言えるし、その方が、いいって、自分を納得させて。


それで電話をしてみたら、彼は、he--y!と、とっても明るい声で電話に出て、どう?って聞くと、それがね、自転車屋で自転車のパッキングの段ボールはゲットしたんだけれど、やっぱり空港でそれをあずかってもらうのが出来なくて、預けると20ドルもするから、空港に泊まろうかなぁって…でももう一度なにか探してみて、もしかしたら今晩行くときは、メッセージを送るね、って言ったので、私も、ベッドは小さいのも合せて3つあるし、じゃあ必要になったら、また知らせてね、と言って、電話を切った。するとそのすぐ5分後くらいに、携帯に、「ホテルの住所はどこだったっけ?なくしてしまった!もし行っていいなら、今から行くよ!」って、Gからの、メッセージが入った。


すごく、嬉しかった。踊るみたいな、気持ち。


電話をしたら、段ボールが15ドルで預けられることになったから、行くよ!でもここからそこだから、1時間半くらいかかるけど、でも行くよ!って、とっても明るい声で。なんだろう。また会って話ができることが、とってもとっても、嬉しくて、心が躍った。そしてそれから2時間くらいで、彼はホテルにやってきた。つく寸前に電話があったので外へ出たら、彼が自転車で、搭乗。本当に、すごくすごく、嬉しかった。



左手には、スーツケースに、大きくて重たいかばんをのせて。右肩には、quiltとpillowが入ったかばんと、いつもの自分の使っているかばん。そして右手に、パソコンのかばん。タクシーでホテルに出るのは楽だけれど、タクシーを使えばきっと50~60ドル。電車とバスを乗り継げば、10ドル以下でホテルに行けるけれど、2時間はかかりそう。タクシーか、電車か、、頭の中でそんなことを考えながら、ひとまず街へ出る電車にはのろうと、駅を歩いていたら、後ろから、おじいちゃんが声をかけてくれた。


どこへ行くのか、と聞かれて、私は、北へ、と。ホテルが街から14キロ、北に行ったところだからと、答えた。そうしたらおじいちゃんは、僕は南に住んでいるから、北の方はよく知らないんだけど、でもよかったら車で来てるけど、乗っていくか。と言われて、私は、2つ返事で、乗っていきます、と答えた。それですぐそこにあったガソリンスタンドで地図を買っていくことになって、ガソリンスタンドの前で一度降り、、、、ようとして、ふと、あれ?でも待てよ?私は今ここで、こんなにあっさりと車を降りてしまって、いいのかな?だって、私の荷物はパソコンも含めて全部、この、おじいちゃんの車の、トランクの中なんだけれど…。


と、思ったものの、そんな疑いをおじいちゃんに言いだすことができずに、よし、何かが起きたら、何かが起きたとき、と心に決めて、スタンドの中へ入っていった。かけ足で。笑、そしてずいぶん、お店の人をせかして、地図はない?え?地図、売ってない?ロードマップ、おいてない?と聞くと、ストリートディレクトリを貸してくれたので、走って車へ戻って、ホテルの場所を確認した。そうしたら、おじいちゃんはぽんと右手のこぶしで、左手の手のひらをうって、ああ、わかった。大丈夫、いけるよ、って言ったので、また走って地図を返しに行って、そしてホテルへ向かった。


すると、ガソリンスタンドを出ようとしたところで、自転車でスタンドをうろうろしているGを発見した。あれ、と思って、窓をあけると、彼はサングラスをした顔で、顔をあげて、私に気づいて、満面の笑顔になった。それで私は、ホテルに行くところなんだ。助けてもらえることになったの、と言って、手をふった。あとで彼はこのときのことを、hey、彼女、ついてるなー、と思ったそう。だけど反対に私は、このとき、なんだろうな、気付かないふりで、行けばよかったって、思った。その方が、彼は、また私に、会いにくるような気がした。どうしてそんな風に思うのかわからないけれど、そう、思って、また心臓がどきどきとした。格好の悪い、どきどき。だから、おじいちゃんとの話しに集中するまでに、ちょっと努力と時間が必要だった。



そして、3日間の列車の旅は終わって、私たちは電車から降りて、荷物を受け取るところまで一緒に行って、彼は自転車に荷物をつみはじめて、私はバスで移動するために、って、なんとか荷物を小さくしようと、預け荷物と手荷物をまとめることに、奮闘した。


この間に私は、彼が電車の中で、私を見て、「beautiful」と、つぶやいたことを思い出した。それは私に年齢を聞いたときに、私が、何歳だと思う?とか言いながら彼の方を振り向いたら、ふと、彼が言ったことで。そのつぶやきが、多分、本物だったことも、感じたのに、そのあとの3日間で、この先も連絡を取りたいとは思ってもらえなかったことに、がっかりした。私の何が、だめなんだろう。心の中、なのかな。私の心の中が、私の魅力を削っているのか、もともと私には、魅力がないのか。そもそも、見栄を、はるもんね。私は私を、私以上に見せようと、するもんね。


だけどそう、見栄をはってしまう私は、この時も、私こそ、どいやって、まったく平気な感じでお別れしようかって、考えていたと思う。胸が、どきどきした。それは寂しさとか、自分の心になにかをかぶせるみたいな、格好の悪い、どきどき。自分の顔が曇っていることが、わかったし、その曇りに、無理やりの笑顔を作っていることだって、わかっていた。


でも、それ以上、どうにもできない。だから私は荷造りを終えて、彼の方を振り向いて、「じゃあ、私、行くね。必要だったら、連絡して otherwise 元気で!頑張ってね!」って、ホテルの住所と自分の電話番号がかかれた紙を渡したときと、同じようなことを言った。作って作った、平静の、笑顔で。そうしあら、まだ荷物に奮闘する彼は、私のそれよりも、もっとずっとリラックスした笑顔で顔をあげて、「行くの?」と言いながら、腕をひろげたので、私たちは、さよならのhugをした。私はまとめたとは言え、大きなスーツケースとかばん3つをよたよたしながらかかえて、歩きだした。



1日目の夜はほとんど眠ることができなかったけれど、そのおかげで、2日目の夜はとても深い眠りに落ちた。目を覚ますと窓の外は朝もやの、淡い青とピンク色の空の下の、砂漠。とてもいい夢をみた気がする。


だけどなんだか、この最後の日、Gはそっけなかった。朝起きると、いつものようにサンドイッチを作ってくれたけれど、その後はすぐに本を読みだして、もう、話すことがないような感じだった。なにか私と話すことを、拒否しているような、気持ちがした。私もそれで、音楽を聞いて、そのことを考えないようにした。心の中で、自分は自分でいいし、自分は今のままで、もう愛されているんだっていう、アファメーションを唱えたりした。


でも、ホテルのことは、どうしたらいいんだろう。ただ何も言わずに去ったら、GはGで、拒否された、って思うかもしれない。そんな誤解を招くなら、自分が拒否されたときに、それを知るだけでいいんだし、と思うことにして、列車が到着するころになって、ホテルの住所と、電話番号を、紙に書いた。そうしたら私がそれを書いている横で、彼はとても、にこにこしていた。いつもの、嬉しそうな、笑顔。なんだか、わからないな。でも、紙を渡すのには、渡しやすくなった。紙を渡しながら、必要だったら、連絡して、otherwise どうぞよい旅を、気をつけてね。と言った。彼は、にこにこを崩さずに、ありがとう、って、満面の笑顔で、受け取ってくれた。そして念のため、って、自分の電話番号も、くれた。でも、それだけで、そこにはメールアドレスは書かれなかったし、やっぱり最後まで、聞かれることも、なかった。一期一会。



悲しいのは、私が36才で、彼は多分、20代半ばだっていうことに、自分がまた、いつものように引け目を感じること。年齢を聞かれたとき、つい、内緒にしておく、と言ってしまって、もう、言えなくなってしまった。私が期待するのは、彼に好かれることで、自分は彼に恋をしているわけではないことはわかっているのに、私はただ、こうやって知り合った男の子がちょっと素敵なら、いつも何かを期待して、恋してくれるようにって、願ってしまう。


自分が20代の前半だったらと、思う。自分の年齢を言えない自分に、不満を覚える。36才だよって言って、そしてフレンドリーにいることが、私にはどうしてできないんだろう。可愛くないと好かれない、若くて、可愛くないと、、そういう、信念が、私が私でいることを、邪魔する。


それは年齢に適した人生を、送っていないって、いう気持ちからも来ている。今、25歳だったら。22歳、23歳だったら。そうしたら、この人生でいいのに。この今の私でいいのに。でも36才で、この私では、だめなんだ。苦しい。あせりとか、困惑とか、不安とか、心配とか。自分の年齢が、悲しい。そう思う自分が、悲しい。