畑野智美の作品。
「南部芸能事務所」シリーズ第三弾。
2015年に講談社から刊行。
タイトルの作品含め、7つの短編が入っている。
物語を読みたいと思ってこの作品を読んだが、「南部芸能事務所」シリーズの中では一番ぐっと来た。
登場人物が躍っている。
どの話も、芸人の男性を取り巻く女性の存在が大きい。
一番印象に残ったのは、「家族」という作品。
芸人トリオ・ナカノシマの中嶋と、彼女の千夏の物語。
千夏の訴えが、「うー」と泣けてくる。
いい話。
どの登場人物も、いいところあり、憎めないところあり、人物描写が鮮やか。
畑野らしい筆致。
シリーズはあと2作、楽しみに読もう。