吉田修一の作品。
角川書店から、2024年に刊行。
産経新聞に2024年4月から9月に連載していたものに、加筆修正した。
吉田の作品を読むのは久しぶり。
『国宝』を読むことも考えたが、「最近の本を読もう」と思い、本作を選んだ。
タイトルになっている「一万年愛す」は、宝石の名前だ。
長崎・九十九島を舞台に探偵・遠刈田が、ある老人の謎に迫る。
老人は家族が集まった場で翌日に行方不明になるが、その理由は?
自室に残されていた3本の映画の意味は?
歴史をさかのぼり、戦争孤児のことが後半かなり出てくる。
それに加えて、人間の冷凍保存。
SFっぽいなあと思った。
最後は、吉田自身が文中に登場する。
文章は読みやすく展開も様々なので、どんどん読める。
読み終えると、「一万年愛す」の意味をぐっと感じる。