ま、今日も気ままにいきましょ。

ま、今日も気ままにいきましょ。

本、映画、ライブ、食べ物などの感想を徒然に書いていきます。

カツセマサヒコの作品。

 

2020年に幻冬舎から刊行。

 

本作がデビューとなる。

 

読んだのも初めてだった。

 

本作とは別の作品が広告で出ていて、気になったので読んでみた。

 

話は、大学生の「内定者勝ち組飲み会」から始まる。

 

主人公は、その飲み会に「一応」参加している男性。

 

広告代理店への内定を希望していたものの全て落ち、印刷会社に入ることになった。

 

飲み会への参加は気が進まなかったが、参加していた女性の一人に心奪われる。

 

彼女から「携帯なくしちゃったみたいで」と声を掛けられ、そこから接点が生まれる。

 

ふっとつながった点はあっという間に線になり、2人は付き合う。

 

社会人になってお互い別の道に進んでも、思ってもいなかった会社生活と反比例するように、甘い日々は続いていく。

 

だがある日、彼女と連絡が取れなくなる。

 

それは、最初に知り合った時に明かされていた理由と関係していた。

 

彼女との「終わり」が現実になり、男性はどうなるのか。

 

10の話で構成され、1つ1つが短く文章も読みやすい。

 

作者自身の経験も、登場人物の背景に反映されていると感じる。

 

「こういう人たちもいるよね」と、「1つの事例」として捉えながら読んでいた。

 

「ヴィレヴァン」「スピッツ」「キリンジ」など、気になる言葉も散りばめられている。

 

書き下ろし作品。

小野寺史宜の作品。

 

2020年に角川書店から刊行。

 

小野寺の作品を読むのは3作目くらい。

 

本作は、目黒考二が「本の雑誌」で薦めていた。

 

小野寺作品では珍しい短編集で、全部で10の話が入っている。

 

「小説すばる」に掲載されていたものと、書き下ろしがある。

 

連作ではなく、1つの町が舞台になっているのが共通したところ。

 

登場人物は、作者の意図によるものか、離婚を経験している人が多い。

 

1つの作品が30ページ前後で、会話が多い話もあるので、読みやすい。

 

が、作品にもう少し深みがあるといいなと思った。

 

短編だからなのか、「それでどうする」という突っ込みがあった。

 

長編のほうが、小野寺は向いているのかもしれない。

 

タイトルの付け方は面白いと思った。

古賀及子の作品。

 

2024年にポプラ社から刊行。

 

タイトルの通り、「好きな食べ物」についての考察だ。

 

エッセイとも少し違い、古賀は、自分の好きな食べ物は何なのか、ひたすら考える。

 

食べ物がたくさん出てくるので、読んでいるとお腹が空く。

 

好きな食べ物はアボカド、チーズケーキ、オムライス、鯖、おはぎ…と多岐にわたる。

 

候補が出るたびに「これだ」と思うのだが、考えると「本当に好き?」と懐疑的になる。

 

好きな食べ物について多角的に考え、思いを巡らせ、最後には「これか!」というのにたどり着く。

 

古賀の長い考察に読者も同行し、おそらく多くの人が、「私は何が好きだろう」と考えるはずだ。

 

人との会話の取っ掛かりにもなる「好きな食べ物」は、本書を読むと奥が深い。

 

上白石萌音が解説を書いている。

 

他の作品もまた読んでみたい。