ま、今日も気ままにいきましょ。

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本、映画、ライブ、食べ物などの感想を徒然に書いていきます。

宮島未奈の作品。

 

2025年に新潮社から刊行。

 

「成瀬」シリーズの第3弾だ。

 

「小説新潮」に掲載されていた話と、書き下ろしが入っている。

 

全部で6つの話。

 

どれもよくて、毎回のごとく「成瀬ー!」と叫びたくなるが、一番よかったのは「親愛なるあなたへ」。

 

第1作に出てきた広島の同学年の男・西浦との話である。

 

西浦は第2作では出てこなかったので、今作で出ると知り、「2人はどうなるの」と気になっていた。

 

成瀬の1日を追うことができる話でもあり、最後は微笑ましいやり取りもあって、これからが楽しみになる。

 

成瀬は本当に、活動的だ。

 

人と関わって、1位とか優勝とか取って脚光を浴びるけれど、周りの人のことも明るくする。

 

名前の「あかり」をここまで意識したのは、本作が一番強い。

 

成瀬の母目線で描かれる「そういう子なので」も、「そうだったんだ」と気づかされることが多かった。

 

第1作で亡くなった祖母(母の母)のことも出てきて、「そうだったなあ、あの時」と思い出す。

 

成瀬の叔母も出てきて、成瀬一家のことがよくわかる話だった。

 

本作で、「成瀬」シリーズは完結ということになっている。

 

でも私は、成瀬をもっと読みたいと思う。

 

たとえばこの先、就職活動はするのか、それとも大学院へ行って研究を続けるのか。

 

就職したら、どんな仕事をするのか。

 

興味は尽きない。

 

「成瀬が帰ってきた!」という日を待ちつつ、このシリーズがますます多くの人に届くことを願う。

光浦靖子のエッセイ集。

 

2021年に文藝春秋から刊行。

 

2020年4月に、光浦はカナダへ留学する予定だった。

 

それが、コロナにより延期になった。

 

留学に備えて部屋を出ていた光浦は、妹宅に居候する。

 

そんな時期に書かれたのが本作だ。

 

「生理」「不定愁訴」「老後の話」など、50歳を迎える彼女だからこそ書ける内容になっている。

 

私はまだその年齢には達していないので、未知のことも多い。

 

「そっかーそうなるのかー」と読んでいてわかることもあり、良い意味で予習になった。

 

コロナの影響をぐっと受けた、一人の女芸人(本人は「タレント」とも書いている)の本音が詰まった1冊だと思う。

 

装丁が「西遊記」のイラストになっていてかわいい。

雨井湖音の作品。

 

東京創元社から2024年に刊行。

 

「東京創元社×カクヨム 学園ミステリ大賞」受賞作である。

 

新聞の書評に出ていて、面白そうだと思って読んだ。

 

舞台は、軽度の知的障がいのある生徒が通う高等支援学校。

 

障がいのある人が通う特別支援学校と違って、入学するためには試験と面接がある。

 

障がいも軽度なので、「どんな障がいがあるのだろう」という生徒もいる。

 

そういう微妙で機微なところを題材にした作品なので、珍しいと言える。

 

主人公は、1年生の架月(かづき)。

 

ものすごくのんびりとしていて、「これくらいで良い」という判断ができないので、何かするのも時間がかかる。

 

学校に入り、仲間と出会い、清掃の仕事をして、校外学習にも行く。

 

その間に起きる、ちょっと不思議な「事件」を、彼なりに解決していく。

 

周りにいる仲間は、それぞれ特性が違う。

 

「ダウン症」とはっきり書いてある生徒もいるが、「ADHDなのかな…この人は発達障がい?」と考えながら読んでいた。

 

文章だけだと、わかりにくい障がいもある。

 

でも重要なのはそれではなく、彼らが高校生活を精一杯過ごして「青春」していることだ。

 

文章は読みやすく、自分もその場にいるかのような感覚になる。

 

「軽度知的障がいって何?」という人、障がいのある人と過ごしている人、障がいのことを勉強している人におすすめ。