松永和紀氏「メディア・バイアス」より

 

オーガニック、有機食品、無農薬栽培 

というと安全というイメージがありますが、

自然のものだから安全、とは言い切れないと

松永氏は書かれています。

 

有機を規定するJAS法には

安心、安全、健康という文字はどこにも出てきません。

 

有機農業はあくまでも

化学合成農薬や化学肥料の使用を減らした農法であり

家畜の糞尿や食品残さから作った

有機質の肥料やたい肥を使用するので

地球環境には優しいけれど、

人間の体にとって「安心、安全」とは言い切れないと。

 

農薬を使わないと

農産物には残留農薬のリスクはありませんが

その代わり、

作物の体内で有害な物質が作られるリスクが生じるのだそう。

 

植物はストレスに対して体内で自ら身を守る物質(天然農薬)を作り出し、

その物質が人に対して有害であることもあるのだそうです。

 

たとえばキャベツには49種類の発がん性物質を

自ら作り出す性質があり、病害虫に襲われたときに

その物質は爆発的に増えるのだそうです。

ただし、この発がん物質のリスクを上回るメリット(栄養成分)があるため

「キャベツを食べないほうが良い」という結論にはならないのだとか。

(カリフォルニア大学 ブルース・N・エイムズ博士)

 

そうすると、残留農薬も同じ理論で

植物が自分で生み出す毒性と比較して

どちらがリスクが少ないか、

という話になってくるのかな、と思いました。

 

日本でも、近畿大学の森山達哉講師による研究で

無農薬栽培のリンゴと通常のリンゴを比べたところ

アレルゲンとなるたんぱく質の量は

無農薬のリンゴのほうが多かったのだそうです。

 

このアレルゲンとなるたんぱく質は

リンゴが病害虫の襲来を受けて体内で作る防御物質

である可能性が高いとのこと。

 

また、病気にかかったセロリが収穫後も

毒性の強い天然農薬を体内で作り続けていることが分かった

実験結果もあるとのこと。

 

農薬に守られて虫や病気にさらされなければ

野菜の体内でこのような天然農薬が作られることもなく、

むしろそのほうが安全という理論です。

 

こういう論点もあるのか、と

また新たな発見でした。

 

もう少し調べてみたいと思います。