西尾道徳氏「検証 有機農業」より

 

1.EU

・EUでは、有機農業者に対して補助金「グリーン支払い」を支給している。

・考え方は以下のとおり。

 有機農業は環境汚染の軽減、生物多様性の向上、農村景観の保全などの

 多面的機能を社会に提供しているが、農業者はこれらの社会的便益の

 算出に対する対価を受け取っていない。

 そこで、有機農業を実践することによって生じた慣行栽培との収益差を

 補償し、社会的便益に対する対価を支給する。

・有機農業は環境保全との調和が強く求められている。

 

2.アメリカ

・有機農業マーケットの発展の支援に重点を置いている。

・認証に必要な経費を生産者に代わって負担する「コスト負担プログラム」もある。

 

3.日本

・有機農業は高付加価値農業と位置付けている。

・集約農業は環境に負荷をかけているということを認めず

 農業のもつ多面的機能のみを主張。

(その背景として、食料自給率が低いなかで

 収量が低下する有機農業への推進に躊躇があるのだろう、

 と本書では分析されていた。)