奥野修司さん著「本当は危ない国産食品」は

もともと週刊新潮に連載されていた原稿だったようで、

掲載当時、農薬工業会からの「見解」が出されたらしい。

 

この本の巻末に、農薬工業会の「見解」に対する反論が書かれているので

それを読んでまとめていきたいと思います。

 

まず書かれているのが、

(農薬工業会)…国の基準を守っているから安全

(奥野さん)…少量なら安全という国の基準に疑問がある

という前提の違い。

奥野さんはさらに以下のように書かれています。

 

・少量の農薬による発達神経毒性や世代を超えた毒性のほうがより深刻

・国が定める基準では発達障害などの異常を検知することが難しい

・農薬の毒性検査には医薬品のような臨床試験がない

 

これをふまえて、個別の論点に進んでいきたいと思います。

 

(奥野さんの記事)

ネオニコチノイドに関して

胎児期に農薬を摂取した場合に成長過程でどんな影響があるかという

「発達神経毒性試験」が義務付けられていない。

 

→(農薬工業会の反論)

任意で試験結果が提出されており、食品安全委員会で評価されている。

 

→(それに対する奥野さんの反論)

○行われている試験内容は体重増加量・運動能力・聴覚・脳の組織の観察等

 のみであり、この試験では潜在的な発達神経毒性は分からない。

 (論拠:神戸大学 星信彦教授)

 

○古いOECDの方法を取り入れており、ヒトの高次脳機能への影響が

 調べられるわけがない。

 チアメトキサム(※)では、ラットで脳の大きさや

 形態に異常が起きているのに、体重低下によるものと解釈し、発達神経毒性

 は認められなかったと評価書に記載している。

 アセタミプリド(※)では、ラットで聴覚に

 異常が起きていることが抄録に記載されている。

 低用量のデータが記載されずに無毒性量が決められている。

 (論拠:環境脳神経科学情報センター 木村ー黒田純子氏)

 ※チアメトキサム、アセタミプリドはどちらもネオニコチノイド系の殺虫剤

 

○現行の一般的なテストガイドラインには課題があり、

 発達神経毒性を十分捉えきれない。

 (論拠:国立環境研究所 前川文彦主任研究員)

    

 

受け売りだけで、もとの論文等を調べ切れていないのですが

いったんメモとして残します。