伝わらない苦しみ
こんばんは。チベット院長です。うちは難聴専門の鍼灸院で、おかげさまで東京以外の遠方からも多くの方が来院されます。患者さんは難聴ですから、聞こえない苦労や聞き取り辛さを抱えているわけです。健康な方からすれば、きっと「聞こえないから大変だろうな」と思うことでしょう。でも、患者さんにとっては聞こえない苦労よりも、自分の思いが伝わらないことのほうが辛いと言います。聞こえない苦しみは、その本人にしかわかりません。もちろん僕にもわかりません。患者さんの話を聞いて想像するくらいしかできません。自分の苦しみ、苦労、あるいは恐怖や不安。そういった思いが相手に伝わらないことが、もっとも辛い体験なのだと。残念ながら、耳鼻科に行っても医者がボソボソ小声でしか話してくれないとか、聞こえないから通院しているのに受付でもぞんざいに扱われるとか。そういった実態が起きているのです。専門家だから、患者さんのことが理解できると思ったら大間違い。病気は診れても、人の感情まではなかなか診れません。患者さんが本当に求めていることが、なかなか専門家には理解できないもの。なんだか皮肉ですね。だから僕は、理解できないにしても、ただひたすら話を聞くこと、話しやすい雰囲気を作ることが大事だと思っています。コミュニケーションをお互いに取る気がないと、治療は成立しませんからね。人を診ること。僕はそういう、専門医療職でありたいと思っています。チベットでした。試験まであと25日~