納得できれば前に進める
おはようございます。チベット院長です。うちは突発性難聴を専門とする鍼灸院です。突発性難聴はある日突然、片耳の聴力が急激に低下する病気です。明確な原因や病態は解明されておらず、有効な治療法もありません。何時でも誰にでも起きる可能性のある病気で、しかも厚労省データによれば、突発性難聴を含めた難聴患者全体の数は約1, 430万人(国民全体の約10%)となっています。耳鼻科でも治らないといわれ、漢方薬やハチノコなどの健康食品や、整体院やらカイロやらいろいろ試したけれども治らない。そういった方が当院には来院されます。深い悩みを抱え、苦しみ、そして当院に希望と期待をかけて来院する。それはこちらとしてもかなりのプレッシャーですよ。本音を言えば。僕は単にお金儲けのためだけに治療家をやっているわけではありません。慈善事業家ではないから、当然利益の追求を経営者としては目的としています。でもそれだけではない。経営者である前に、僕は治療家です。治療家の役割は患者さんの悩みを医療を通して解決することです。でも、突発性難聴という病気は、どんなに優れた治療家であっても、「治せる」ものではないんです。病気の詳しい仕組みは医療ブログを読んでいただくとしてここでは割愛しますが、どんなに頑張っても、一生懸命治療に取り組んでも、場合によっては治らないこともある。治るどころか、まったく改善しない場合もある。それが突発性難聴という病気です。良くなるかどうかわからないという前提のもと、安くはないお金をいただいて治療する。患者さんだって苦しいし、僕も苦しいです。だからこそ患者さんと、治療家が対等(に近い)関係で向き合えるんじゃないかなと思います。人は感情を持った生き物で、何事も納得しなければ感情が追い付かない。医者から治らないといわれ、そこで納得して諦められる人もいるし、別の可能性に掛けてみる人もいる。だけど、治療家としての僕の役割は、患者さんを(便宜上の表現として)「治す」ことではないと思っています。もちろん難聴がよくなるに越したことはないけれど。それよりも、自分が納得できる形に着地して、人生をより良いものにする手助けをすることが大切だと感じています。患者さんのなかには、治ったのに「治療費が高い」と文句を言う人もいます。難しいですね。人それぞれ考えは違うし、治療の目的も違う。だからこそ、一人一人の悩みに向き合い、納得できるように、手助けする。それが僕の役目だと思っています。納得できれば、前に進めるから。チベットでした。