(TBS報道特集より)

大阪万博の会場で“メタンガス爆発” 会場の安全性は?万博協会は「信じて来て、楽しんで」

 

開催まで300日 万博会場に浮上するメタンガス発生の問題

大阪・関西万博は開催まで300日を切る中、様々な問題が浮上している。

 

パビリオンの建設が進まない。

「工事費増大、これが最後」を繰り返し、当初の倍増に

 

今年3月、爆発事故が起きた。原因はメタンガスだ。当時、現場近くにいた作業員は…

 

事故現場近くにいた作業員
「もうびっくりするくらいの音。たいそうな事故だった」

爆発があったのは1区と呼ばれるエリアのトイレ予定地。その付近には、受付ゲートや飲食ブースなども建つ予定で、来場した人が多く立ち入るエリアとなる。

 

内部資料に「メタンガス存在」 2年前に判明も今年の事故を受けて発表

報道特集が入手したメタンガスの発生量を調査した内部資料によると去年9月、今回爆発があった1区からメタンガスが1日約1.9トンも発生していた。

メタンガスが発生するのはこの1区だけなのか。事故直後から万博協会は、「他のエリアでは、可燃性ガスの発生はありません」と説明してきた。

数年前から夢洲のメタンガスの危険性を指摘している藤永延代さんは、この万博協会の説明に疑問を投げかける。

おおさか市民ネットワーク 藤永延代 代表
「2区、メインのところはメタンガス、そんな心配ありませんという言い方。それが嘘だと思っている。ないわけないと」

報道特集は、事故の2年前にこの2区のエリアでメタンガスが発生していたことを示す資料を入手した。大阪港湾局が作成していたものだ。そこには。

「メタンガスの存在が判明した」

万博のメイン会場となる2区の地下で行われている鉄道工事の事前調査で、2年前に判明していたという。

おおさか市民ネットワーク 藤永延代 代表
「間違いなく、地下鉄工事をしているところの下を分かっていたから、(大阪)港湾局は調べている。そうしたらメタン、ちゃんと検出されているんです」

大阪港湾局が資料を作成した約2か月後。この問題は大阪市会でも取り上げられた。

花岡美也 大阪市会議員(当時)
「万博の交通アクセスの重要な柱の一つである鉄道、事業費の増加についてお聞きします」

大阪市 松井一郎市長(当時)
「新たに判明したメタンガスによる、トンネル構内での事故防止のための事業費が増加することとなりました。万博開業に向けてコスト及びスケジュールの管理を徹底して取り組んでまいります」

それから2年がすぎた今年5月。万博協会は爆発事故を受けて初めて、「4か所で低濃度のメタンガスが検出されているデータを確認しました」と、2区でもメタンガスが検出されたと発表した。

さらに、海外の参加国への正式な説明は、事故から3か月経った今週の国際会議の場だったという。

おおさか市民ネットワーク 藤永延代 代表
「だから言うてたやろと。人が立ち入ったらあかんところを会場にしている。やっぱり悲劇やと思う。(対策に)ものすごいお金がかかります。危険だから手立てをしないと、それどうすんの。まだまだメタンガスも出てるし、わかっていたんやから。わかっていながら、そのままここまで来たんやからと無理くりやっていくというのはもう本当に愚策」

過去にもメタンガス爆発で被害 学校「無料招待」も…教員から不安の声

過去にも、ゴミ埋立地でのメタンガスの爆発事故で、大きな被害が出ていた。

 

2010年、兵庫県・姫路市の複合施設「エコパークあぼし」で工事中に爆発が起き、作業員10人が負傷した。

1975年には、東京の「夢の島」でも建設現場で爆発があり、作業員10人が死傷している。

1区では4か月間で爆発の危険があるメタンガス19回検知 安全対策は

爆発事故から約3か月。24日、万博協会は安全対策を公表した。

2025年日本国際博覧会協会 藁田博行 整備局長
「メタン=危険というイメージの払拭含めて、我々の対策で大丈夫だよっていうメッセージは丁寧にいろんな場面で伝えていくしかない」

事故があった1区では、5月までの4か月の間に、爆発の危険がある5%以上の濃度のメタンガスが合わせて19回検知されていた。

2025年日本国際博覧会協会 藁田博行 整備局長 「ファーストフードとかテイクアウトのお店が何軒か入る。火気は使わない店でという募集をいったんはしているので、それがどこまで皆さん徹底できるかっていうところにかかってくると思う

 

村瀬キャスター 「国際社会からしたら、なんでそんなところで万博を開いているのかっていうところ、なかなか理解が得られないんじゃないかと思うんですけれども、こういった場所で万博を開くことが適切だとお考えでしょうか」 

2025年日本国際博覧会協会 藁田博行 整備局長 「協会は『ここでやれ』『対策して開会しろ』と言われているので、そこの答えは、私らに見解はないです。

 

さらに批判を浴びているのが、大阪府教育庁の対応だ。

無料招待について、各学校に行った意向調査、学校単位での訪問を希望するかという質問に選択肢は「希望する」「未定検討中」の2つで「希望しない」はなかった。

大阪府交野市の小中学校では「行きたくない」という声が相次いだという。

(大阪府交野市長)

小中学生を無料招待、あくまでそれは入場券の話であって、中学生はおよそ3000円、小学生1200円ですけども仮にバスをチャーターして行くと5000円かかって高いが、それでも「無料招待」と言っているのが実態。

 

 

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