(共同通信NEWSより)

「なぜフランスで極右政党が勢力拡大?」大統領は“危険な賭け”へ

先日、5年に1度の欧州議会選挙が加盟27カ国で行われました。 移民問題や環境規制などへの反発から、極右や右派が伸長しました。 フランスでは与党連合が極右の国民連合(RN)に大敗し、 マクロン大統領は議会下院を解散して総選挙を実施すると発表しました。

 

(ANNニュースより)

パリで極右の政策に反対する若者らが大規模集会

 フランスでは、9日の欧州議会選挙で、極右政党の「国民連合」が与党連合の倍以上の議席を獲得する見通しで、マクロン大統領が国民議会の解散総選挙を表明しています。  10日夜、パリのレピュブリック広場には、数千人の若者らが集まり、極右の人種差別や排他主義につながりかねない政策に抗議しました。 集会の参加者 「(極右の)イデオロギーが生み出す人種差別・同性愛差別・男女差別・反ユダヤ主義。きょうはそういったことに抵抗することを示すためにここに来ました」 「とても怒っています。国民戦線(国民連合の旧党名)、ファシストが権力を持つようなことがないように、ここに集まって支援しないといけないと思っています」  フランスの国民議会の選挙は、1回目の投票が今月30日、決選投票は来月7日の予定です。

 

(サキさんのX:旧ツイッターより)

極右に対抗、「新・人民戦線」集会での高校生の演説に注目集まる

先日パリ郊外で行われた新・人民戦線集会での、フランス高校組合の中心的人物マネス・ナデル君の演説に日本語字幕をつけました。

 彼がこの演説をするに至った文脈をちょっと説明しておきたいと思います。 先日のヨーロッパ議会選挙での極右・国民連合の勝利から、マクロン大統領により国民議会の解散が発表されるという2重の衝撃を受けて国内が混乱する最中、フランスの左派に残された手段は共闘することのみでした。そこで生まれたのが、この『新・人民戦線』です。 結成までのスピードは早かったものの、左派には潜在的にいくつか分裂の要素がありました。その1つがパレスチナです。 左派政党の主要な1つである、メランション率いる『不服従のフランス』は10月7日以降親パレスチナ路線に振り切りました。これは、パレスチナに連帯することがテロ賛美や反ユダヤ主義と解釈され得るフランスでは、リスクのあることでした。党内でもハマースの認識をめぐって分断が起きました。また伝統的にも親イスラエル色の強い他の主要な左派政党である社会党とは大きく溝が生まれました。

 

 しかしいま、こうした分断を超えて連盟を組まなければならない。選挙に勝たなければならない。こうした国政の状況での有権者への訴えの中で、パレスチナ、また同じ植民地構造を抱えたニューカレドニアの話は日に日に置き去りにされてきたような印象がありました。『人民戦線』が勝っても、裏切られるかもしれない、そんな感情が芽生え、この日も集会の向かいの建物の屋上で、パレスチナの国旗を掲げて『FREE PALESTINE』を叫ぶ人達がいました。 こうした文脈を踏まえてマネス君は声を代弁してくれたのです。大人達に、カナキー(ニューカレドニアの先住民)を、パレスチナを忘れるなと。彼が中心にいるフランス高校生組合は、昨年から複数の高校を封鎖するなどして、直接行動でパレスチナへの連帯の姿勢を示してきました。選挙に勝つことはもちろん1番大事ですが、票にならない私たちの声も聞いてほしい、仮に政権をとっても裏切らないでほしい。そんな熱い想いが込められた、心震える演説だと思います

 

 

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