(東京新聞の記事より)

「学校給食の無償化を」習志野の市民団体が署名活動 23日に市内で「集い」

 千葉県習志野市で、学校給食の無償化を求める署名活動が始まった。有志が市民団体を発足させて取り組んでおり、23日には市内の複合施設・プラッツ習志野で、「映画『希望の給食』を見て給食費の完全無償化を実現するつどい」を開催。参加者を募っている。(保母哲)

 

 

 

 市民団体は「習志野市の学校給食費の完全無償化を実現する会」。市民有志7人が署名活動の呼びかけ人となった。

市長への要望内容は、給食費無償化とともに、国や県に無償化のための負担金・補助金を確保するよう要請-の2点。

 署名専用サイト「Change.org(チェンジ・ドット・オーグ)」でも呼びかけている。

 

 

一緒に活動する「署名助っ人」も募集しており、署名は市外の人も可。

 上映する映画では、子どもの成長を支えるだけでなく、地域の食と農業をつなぐことや、公共サービスの在り方など、日本と韓国の事例を紹介している。

 当日は午後1時半から映画を鑑賞し、同2時20分ごろから映画の出演者である農事組合法人代表理事や、東京都西東京市で無償化に向けた署名活動を行った同市の市民団体、署名活動の呼びかけ人の一人である福嶋尚子・千葉工業大准教授の計4人が無償化の意義などを語る。

 参加費無料、申し込み不要で、別室保育は要申し込み。問い合わせ・保育申し込みは、原田昭弘さん=電090(3420)7108=へ。

◆無償化なぜ必要? 千葉工大・福嶋准教授に聞く

福嶋尚子准教授=習志野市の千葉工業大で

福嶋尚子准教授=習志野市の千葉工業大で

 学校給食費の無償化の必要性について、福嶋尚子・千葉工大准教授=習志野市在住=に聞いた。「習志野市の学校給食費の完全無償化を実現する会」は、福嶋さんのショート動画「なんで給食費を無償にするの?」も公開している。

 

(動画:なんで給食費を無償にするの?)

 

 なぜ学校給食費の無償化かというと、保護者の負担軽減はもとより、どの家庭、どの自治体に生まれても、安心して1食を食べていいんだ、という子どもたちの基本的人権が満たされ、そのことを体感しながら育っていくことが一番大切だと思っているからです。

 「お金を払って給食を食べる」という現在の構造はやめるべきでしょう。学校に行ったら1食が保証されるんだ、保育園に行ったら、高校に行ってもお昼ご飯のことを心配しなくていい-ということを、全ての子たちに保証したいと思っています。

 習志野市でも、多くの保護者や子どもたちが給食に不満の声を上げており、物価高で不安な気持ちになっています。その声を習志野市という行政に伝えるべきだと考える人たちとともに、署名活動を始めました。

 文部科学省が今月12日に発表した調査結果では、無償化している自治体が全国で約3割(昨年9月時点)と増えました。が、「無償になったけど量が減った」という声も残念ながら聞こえてきます。ただ単にタダにするんじゃなくて、子どもたちの食の権利を保障するための給食にすべきです。

 センター方式のような大規模ではなく、地域の農業生産者らとつながった自校方式にすべきでしょう。大規模だと、大量の食材を提供できる業者しか参入できなくなる。地域とつながった小規模な給食、地域の生産者が元気になり、もしかしたら地域経済も活性化する給食ととらえ直したい。

 無償化している自治体は自主財源を充てている例が多く、新型コロナの交付金を活用する例もある。その一方で、現在は頑張って無償化していても、2024年度以降は「続ける予定なし」と回答した自治体も多い。つまり(無償化する自治体と、しない・できない自治体との)二極化の現状があるんです。

 このため国が全国一律で完全無償化し、財政が厳しくても、無償化できる枠組みを国や都道府県が示すべきです。このままでは二極化が進み、こんな日本でいいんですか-ということになる。今、無償化している自治体も考えてほしいですね。

 

 

 

 

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