ローカル線廃止。北海道の対応にSNS上で疑問の声が噴出

 

 

(Yahoo!ニュースより)

道の対応に「SNS上で疑問の声」が噴出 泥沼化の北海道新幹線「並行在来線」問題、BSフジ全国放送で

 2024年5月5日12時より、フジテレビの衛星放送「BSフジ」で、北海道を始めとした全国のローカル線問題をクローズアップした、サンデードキュメンタリー「今こそ鉄路を活かせ!地方創生の再出発」が放送された。

 この番組では北海道の鉄道問題が大きくクローズアップされ、北海道新幹線の並行在来線として廃止が決められた函館本線の長万部―小樽間についても取り上げられた。同区間は、北海道新幹線の札幌延伸開業に伴い、JR北海道から経営分離されることが確定している区間で、北海道庁が主導する並行在来線対策協議会では、密室協議の場で同区間を第三セクター鉄道ではなく、鉄道を廃止しバスに転換する方針が決定された。

協議の場にバス会社呼ばず、問題噴出の並行在来線問題

 しかし、この協議の場には地域のバス会社は呼ばれていなかった。深刻化するバスドライバー不足の問題もあり、地元のバス会社は鉄道代替バスの引き受けに難色を示したことから、協議は2023年5月を最後に1年近く止まったままだ。長万部―小樽間のうち輸送密度が2000人を超え、本来であれば鉄道廃止の対象とはなり得ない余市―小樽間をバスに転換した場合には、通勤通学の時間帯だけで新たに十数台のバスとドライバーの手配が必要となる。こうした状況に対して、沿線にバス路線網を展開する北海道中央バスはBSフジの取材に対して、特に余市―小樽間のバス転換について「無理だ」と回答している。

 さらに、現在の鉄道では小樽―余市間は20~25分程度で移動が可能であるが、これがバスになると冬季間の遅延なども考慮すると所要時間が最大で40分~50分程度に延びることとなる。

 

道試算の経費と赤字額に驚愕したJR北海道の元職員

 番組内では、北海道庁が並行在来線の鉄道維持に向けて試算した金額が異常に高額であったことについても触れられた。特に、余市―小樽間を第三セクター鉄道として存続させる場合、道の試算では、初期投資額が45億円を上回り年間約5億円の赤字。30年間の累計赤字額が206億円に上るという試算が示された。これに対してバスの累計赤字額は18億円に留まるとされた。協議会で最後まで鉄道存続にこだわった余市町もこの金額を出されて、鉄道廃止、バス転換やむなしとならざるを得なかった。

 しかし、JR北海道の元職員で「余市駅を存続する会」のアドバイザーを務める吉村裕二さんは、道の試算金額に驚愕したという。吉村さんは番組インタビューで「正直言いましてびっくりしました。なぜこんなにかかるのか。(JR発足から)35年以上も減価償却の過ぎた施設が、なぜ45億4千万円になるのか、全く不思議に思いました」と述べた。なお、余市―小樽間の距離は19.9kmだ。

 道は、余市―小樽間は年間約5億円の赤字になるとその額を強調しているが、専門家は懐疑的だ。鉄道政策に詳しい富山大学の中川大特別研究教授は、鉄道会社の規模や運営方法によって採算も大きく変わると指摘する。

 中川氏は番組インタビューで「JRから分離された特定地方交通線と呼ばれる線がたくさんあるんですけど、それらも全て、JRよりも採算が悪いからと言って(第三セクター鉄道に)分離されたにもかかわらず、今は特定地方交通線のほうがずっと良い採算で運行しておられますので、そういう意味で、どういう運営方法をするかということによって経費水準も違いますし、最終的な採算の水準も全く違っているという、そういうことはデータからはっきりしているというふうに思いますね」と述べた。

 

道政策姿勢にSNS上では疑問の声が噴出

 こうした状況の中で、BSフジでは北海道交通政策局並行在来線担当課長の小林達也氏にもインタビューを実施。小林課長は、函館本線のいわゆる山線の維持については「財政的な負担」であるという認識を示し、道の政策姿勢を浮き彫りにした。さらに、小林課長は、インタビューの中で「我々がバス転換に向けてまさに中央バスさんとか含めてバス会社と相談を始めようかっていうのは、(2023年)5月なんです」と発言。それを裏付けるように2023年5月28日に非公開で行われたブロック協議会の議事録では、北海道とバス会社との協議ができていないことが、小樽市長からの指摘により北海道が認めていたことが明らかとなっている。そして、北海道は終始一貫「廃線は決まったこと」として、バス転換以外の選択肢を排除する姿勢は変わっていないことから、SNS上には疑問の声が噴出している。

 

 

 

鉄道だけは赤字なら廃止?それならなぜ赤字の道路は廃止しない?

「里山資本主義」藻谷さんの「正論」

 

エコノミスト 藻谷浩介さん
「皆さんは赤字の鉄道についてどう思います?赤字線はやっぱり要するに金かかってるんでしょ?税金かかってる訳だから、やめて黒字線だけ残すべきじゃないですかね。どう思います?」

困惑の表情を浮かべる参加者。藻谷さんは、県内の鉄道で黒字なのは恐らく新幹線と広電だけで、他は赤字なので廃止すべきではないか?別の地域でいえば、JR北海道は新幹線を含め全線で赤字だから廃止すべきではないか?と問題提起します。

「道路は赤字だということを今まで考えたことがある人はグー。そんなこと考えたことあるわけないでしょうって人はパー。正直にあげてください。

鉄道だけじゃないでしょ、赤字のもの。いくらでもあるよね。赤字なら全部止めるっておかしいよねって。全部OK?全部OKじゃない。どこで線引くんですか?赤字黒字が線引きじゃないよねって、気がつかなきゃいけないです

先進国では日本だけなんです。鉄道に国費を投入してないのは。一部してるとかいろんな理屈はあるんだけど、基本的にいうと、鉄道だけを他のインフラと区別してます。異常に人口密度が高い大都市圏に、黒字の鉄道は存在する世界で非常に珍しい訳ですね。新幹線だとか大阪環状線とか一部、黒字の鉄道が存在する世界で稀な国なので、多分、アメリカなんか1線もないですよ。一つもないです。ニューヨークの地下鉄から大赤字

「日本の鉄道のあり方をちょっと変えて、国も含めて上下分離による、残せるものは残すという、そういう時代の流れをちょっと変えた庄原になってみませんか。」

 

参加者
「なぜ赤字黒字だということになっているのか。どうしてマイナーな論点になっているのか」

 

エコノミスト 藻谷浩介さん
「国鉄分割民営化の時、ちょうど大学生でして、あの時に非常にサービスの悪い国鉄が分割民営化したら、ものの見事にえらく利用しやすく変わったということを僕らの世代から上は、みんな経験してるわけですね。その時に、やはり採算性をきちんと取ると、ものごとがうまくいくっていう深い信仰みたいなものが生まれまして、それが鉄道に関しては強く残っているってことですね。他のものは、そこまで鮮やかにいったものがない」

 

 

 

 

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