ネタニヤフ政権を牛耳る極右大臣は、過激なヘイト活動家

3万数千人ものパレスチナ人(その7割は女性や子ども)を虐殺する「戦争犯罪」を続け、国際的に孤立する今のイスラエル・ネタニヤフ政権。

ホロコーストを経験したユダヤ人が、なぜこれほど残虐な「パレスチナ人へのホロコースト」を続けるのか、疑問に思う人も多いようです。

 

実は、この政権を支える過激な極右大臣たちが、

①ホロコーストとは関係ないアラブ系やウクライナ系ユダヤ人

②過激なヘイト活動をくり返す「犯罪者」だった

③現在も「無抵抗なパレスチナ人の銃殺」やパレスチナ人から土地や住居を暴力的に奪い取る「入植」活動を奨励している

危険人物であることは、まだまだ知られていないようです。

 

ベン・グヴィル国家安全保障大臣

 

イスラエルの過激派政治家として知られる。イスラエルの国家安全保障大臣の要職にあり、イスラエル警察、国境警備、入植者治安、消防、その他機関を統括する国内国外入植地治安トップに該当する。また、政府連立与党参加のユダヤの力党首(6議席/全120議席中)となっている。

 

ベン-グヴィルは、アラブ人に対するヘイトスピーチと言うにはおこがましい程により苛烈で虐殺的な発言がある。それで数十件の告発歴があり、イスラエル系アメリカ人でユダヤ人宗教テロリストのバールーフ・ゴールドシュテインの肖像を自宅の居間に掲げていたことでも知られている。バールーフ・ゴールドシュテインは1994年にヘブロンで、29名のパレスチナ人イスラム教徒を殺害し、125名以上に傷害を負わせ、マクペラの洞窟虐殺事件として知られている。

 

来歴

彼の父親はイラク系ユダヤ人移民の子としてエルサレムで生まれた。父親はガソリン会社で働き、片手間に文筆をしていた。彼の母親はクルド系ユダヤ人移民で、10代の頃にはエツォルで活動し、主婦業も行っていた。彼の家族は世俗派だったが、彼が10代の時に第一次インティファーダが起こり、彼は宗教的で右派的な思想を身につけていった。過激な若者の運動であるカハに参加した。カハは最終的にイスラエル政府からテロ組織とみなされ非合法化された。

ベン-グヴィルはカハ運動に関わり続け、その中の彼の政党であるオツマ・イェフディートはカハの思想的継承者の一つだと言われている。1990年代に、彼はオスロ合意に対する積極的な抗議を行っていた。1995年に、当時の首相のイツハク・ラビン氏が暗殺される2、3週間前に、ベン-グヴィルはテレビに登場して、彼が盗んだキャデラックのエンブレムを見せびらかし、次のように宣言した事で初めて世間の注目を浴びた。「我々は彼の車を入手した。次は彼自身をも入手する」。

彼は一連の極右活動を実行し、数十回告発されている。2015年11月のインタビューで、彼は53回告発されたと主張している。ほとんどの事案において、告発は法廷で否決された。しかし、2007年に、彼は人種差別を誘導したとして有罪になっている。

 

こんな事件でも話題になりました。

イスラエル、花火打ち上げた12歳パレスチナ少年を射殺 閣僚(ベン・グヴィール)は撃った警官を称賛

イスラエルが占領する東エルサレムで12日夜、パレスチナ人の少年(12)がイスラエルの警官に射殺された。

東エルサレムで生まれ育ったラミ・アル・ハルフリさんはこの夜、自宅前できょうだいや友人らと遊んでいた。空に向かって花火を打ち上げようとしたところ、イスラエルの警官に撃たれたとみられる。

イスラエルの警察は、花火を警官隊に向けて放った人物に対して、警官が1発発砲したと説明。ただ、当時の映像では、ラミさんは花火が打ち上げられる前に撃たれていたように見える。

ラミさんの父親らが悲嘆に暮れる一方、イスラエルのイタマル・ベン=グヴィール国家治安相は13日、ラミさんを撃った警官を「英雄であり戦士」だとたたえた。さらに、「模範的な仕事」をしたと述べた。

 

ベザレル・スモトリッチ財務相兼国防相付大臣

 

ベゼレル・スモトリッチは、ゴラン高原の宗教的なユダヤ人入植地であるハスピンで生まれ、ヨルダン川西岸地区のベイト・エルで育った。彼の先祖はウクライナの都市型入植地であるスモトリッチにおり、それが彼の名前の由来である。自宅は入植総合計画に反した場所に違法に建てられたものである。

 

彼は2005年のイスラエルのガザ地区等撤退への抗議中に逮捕され、3週間勾留されたが、起訴はされなかった。

 

スモトリッチは、立法府または裁判所では決定できない法的事項の取り扱いに際し、聖書のモーセ5書などのユダヤ教の伝統を考慮すべきだという法改正の共同提案者である。

 

発言・批判

 2015年7月には、スモトリッチはクネセトの内部委員会で、イスラエルの不動産開発業者はアラブ人に住宅を販売するべきではない、と宣言して議論を巻き起こした。「私は神の働きを信じる。私はユダヤ人が生活を営み、アラブ人に家を売ることがない方が好ましいと思う。」

 

2021年10月には、彼はアラブ人議員に向かってこう発言した「あなた方アラブ系市民は、手違いでここにいるのであって、それはベン-グリオンが自分の仕事を完成させず、あなた方アラブ系市民を1948年の第一次中東戦争の際に追い出さなかったせいだ。」。

 

スモトリッチは同性婚に反対しており、「伝統的な家族を推進」したいと述べた。2006年には、スモトリッチはエルサレムで行われたゲイ・パレードに反対するために、「獣のパレード」組織の立ち上げに参画した。2015年には、彼は同性愛の人たちを異常だと呼び、こう述べた。「家の中では誰でも異常になることができる。そして、人々は自らが望む家族の形態を作ることができる。しかし、彼らは私に国家としての対応を要求することはできない。」同じ議論の中で、彼は聴衆にこう述べた。「私は自分がホモフォビアであることにプライドを持っている」

 

2016年4月には、スモトリッチは、病院の産科病棟におけるアラブ人とユダヤ人の隔離を支持するというツイートをしてこう述べた「私の妻が産んだ赤ちゃんを、20年後に殺すかも知れない赤ちゃんと、その親の隣にいさせたくない、と思うのは自然なことだ。」。

 

スモトリッチは投石をするパレスチナ人への対処に際しては「殺すために撃つ」方針を採ることを提唱してきた。次にインティファーダが起きて、パレスチナ人の子どもが石を投げたらどうするか?と質問された際には、彼はこう答えた。「子供を撃ち殺すか、刑務者に入れるか、国外追放にするかだ。

 

スモトリッチは、入植者によるパレスチナ人の生命・財産への攻撃に対して、元来それは犯罪なのであるが、こう定義した。「我々に対する戦争という枠組みの中で敵によって遂行される単なる暴力。」この発言はナーブルス県のドゥマという村で起こった放火襲撃事件でパレスチナ人の家族3名が殺害されたユダヤ人入植者が起訴された事件についてのコメントであり、スモトリッチはさらに、「このような行いに「テロリズム」という汚名を着せることは、人間としての、そして市民としての権利に致命的で正当化できない損害を与えるものだと述べた。」

 

2018年4月に、スモトリッチはツイートのメッセージで、17歳のパレスチナ人であるアヘド・タミミが兵士を襲撃したために禁錮8ヶ月の刑に服し、義務として兵士と仲裁していたことについて、「彼は弾丸を撃ち込まれるべきだ、少なくとも膝頭に。」と述べた。ツイッター社は彼のアカウントを12時間停止し、彼のこのツイートは「暴力的」であり、嫌がらせを誘発する可能性がある、と述べた。スモトリッチはツイートを削除することを拒否し、ツイッター社に対してこう述べた。「言論の自由は政治の一方の側だけが保有している。」。

 

2019年6月には、前司法相が解任された直後に司法相に推されたときにこう述べている。「我々が司法相の職を望むのは聖書のモーセ5書(トーラー)の再建を行いたいからだ。」そしてイスラエルが「ダビデ王の時代」のように運営されることを熱望すべきだ、とした。

 

2019年8月には、スモトリッチはこう述べた。「我々(正統派ユダヤ教徒)は皆、トーラーおよびユダヤ法に従ってイスラエル国が運営されることを望んでおり、それができないのはただ単に我々と違う考えの人たちがおり、彼らと一緒にやっていかないといけないからというだけだ。」。「右翼連合」(ユダヤ人の家とスモトリッチの率いるトゥクマを含む右翼政党の政治的連立)への否定的な反応に対して「メディアによるリンチ」と呼び、スモトリッチは「それを他の人たちに強制できないしするつもりもない」と論じた。

 

2022年11月には、彼はイツハク・ラビン元首相暗殺に関する陰謀論を支持する発言を行い、暗殺者であるイガール・アミルの晩年のイツハク・ラビン元首相に対する考えは過激化しており、それがシン・ベートによる殺人を誘発した、とした。リクードのクネセトメンバーで、元シン・ベート(イスラエル総保安庁) 長官のアヴィ・ディヒターはこの発言を批判して「現実とかけ離れて錯乱している」と述べた。

 

2023年2月下旬、ヨルダン川西岸にあるパレスチナ自治区のフワラにてユダヤ人の入植者2人が車内で銃撃され死亡する事件が発生し、同月26日にはイスラエル人入植者が報復としてフワラの住宅や車を放火する襲撃事件に発展。3月1日、スモトリッチがこの事件についてイスラエルが国家としてフワラを消滅させる必要があると発言し、アメリカ合衆国国務省のネッド・プライス報道官が撤回を求めるなど批判を受けた。

 

2023年パレスチナ・イスラエル戦争では、Xでジオラ・アイランド退役少将の『イェディオト・アハロノト』紙への寄稿画像を転載し、「すべてその通り」と述べた。アイランドは、「イスラエルはハマースと戦っているのではなく、ガザ地区と戦っている。「貧しい女性」はすべてハマースの親類である。(ハマースのガザ地区指導者)ヤヒヤ・シンワルは非常に邪悪であり、住民が全滅しようと気にしない人物だ。我々がより早く勝利するには、国際社会の警告する疫病蔓延を促進させなければならない。(ハマースによる)拉致被害者が全員返還されない限り、米国が人道に配慮しろ、戦闘員のみを標的にしろなどと要求しても耳を貸してはならない。敵は病院や学校管理者を含むすべての「文民」、そしてハマースの残虐を支持したすべてのガザ住民である」と主張した。

 

 

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