(東京新聞の記事より)

「国際基準に基づいた難民認定を」「個人の事情を考慮して」改正入管法施行に反対、全国各都市でデモ

 改正入管難民法(入管法)の全面施行(6月10日)に反対するデモが28日、東京・上野のほか、川崎、仙台、名古屋、大阪、広島など全国の都市で繰り広げられた。外国人を支援する市民や団体でつくる「入管闘争市民連合」が呼びかけ、賛同者が各地で「改悪入管法反対」「入管は難民を送還するな」と訴えた。

「改悪入管法施行反対」と訴えるデモ=東京都台東区で

「改悪入管法施行反対」と訴えるデモ=東京都台東区で

◆ウィシュマさん遺族も参加

 上野のデモには支援団体や市民、難民ら180人が参加。「唯一の解決策は国際基準に基づいた難民認定と、個々の事情を考慮した在留特別許可の付与だ」と声を張り上げた。名古屋出入国在留管理局に収容中に亡くなったスリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさん=当時(33)=の妹たちも参加し、出入国在留管理庁が責任を明確にするようアピールした。

 デモ後の集会で、ウィシュマさんの遺族を支援する指宿昭一弁護士は「われわれが取り組みを止めなければ、確実に市民の声は広がっていく」と呼びかけた。

 

(2023年6月TBS NEWS DIGより)

 

(2023年6月TBS NEWS DIGより)

「難民支援できなくなる」入管法改正に現場が反対する、もう1つの理由“監理人制度”とは?「監理人になりたいと誰も思わない」

 

入管難民法。政府は、▼外国人の収容長期化を避け、▼外国人が難民申請をすると強制送還されないルールの乱用を防ぐことなどの意義を強調します。

一方、野党側は、保護すべき人を強制送還の対象としてしまう恐れや、そもそも政府の難民認定のやり方が不透明だとして反発。さらに、入管施設で収容中に亡くなったスリランカ人ウィシュマさんの遺族が求めている、施設での収容期間の上限なども盛り込まれていません。

こうした中、ある懸念が…

NPO法人 RAFIQ代表理事 田中惠子さん
「難民支援そのものができなくなる」

母国に帰ると迫害を受ける恐れがある外国人が、難民として日本で暮らしていけるように支援する田中惠子さん。

現在、滞在資格が切れてしまった外国人12人の保証人となり、彼らが「仮放免」を受けられる手助けをしています。しかし…

NPO法人 RAFIQ代表理事 田中惠子さん
「仮放免については、もっと厳しくするって書いてある」

新たな法律では、仮放免が認められるのは健康上の理由などに限定されます。代わりに知人や支援者が「監理人」となり、その監理の下で生活することができる監理措置が新設されます。


監理人になると、入管に求められた場合、外国人の生活状況などを報告する義務が生じ、違反すると10万円以下の過料となる恐れがでてきます。

「監理人に負担させながら、さらに過料(罰則)っていうのはね、おかしい… 『それでも監理人になりたい』と誰も思わないと思います」

入管庁は監理措置について「定期的な報告は必要なく、逃亡の恐れがある場合など本当に必要な場合に限定する」としています。

しかし、田中さんは、「監理人」となることで外国人との「信頼関係」が崩れてしまう恐れがある、と話します。

NPO法人 RAFIQ代表理事 田中惠子さん
「『あなたのことは他の人に言いません』このことをまず約束してから面談をしています。『あなたのことを入管とかに言いますよ』って言わなきゃいけない監理人になるとしたら、それで、もうまず信頼はされないと思います」

 

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