(テレ朝NEWSより)

海外パビリオン“開幕間に合わず”に現実味 「大目に見て」弱音も 大阪万博まで1年

 

着工は14カ国のみ 海外パビリオン建設に暗雲

万博に参加表明している161の国と地域のうち、オランダ館のように参加国が独自に設計・建設する「タイプA」で出展する国は50数か国。そのうち着工済みは14か国で、およそ15か国はいまだ工事業者すら決まっていない状況です。

今回、私たちは48か国に取材を依頼し、何らかの回答があったのは24か国。そのひとつ、インドネシアは、協会が示す10月中旬の建物本体の完了は達成不可能だと話します。内装の工事は1月中旬が目安のところ、2月中に完了する予定です。

理由のひとつが「建設費高騰」。資材価格の高騰に加え、時間外労働の規制が強化される「2024年問題」により、人手の確保も難航しているのです。

一方で、開幕までに工事が完了しない国が出てくる事態も現実味を帯びています。協会のある関係者は、「いま工事業者すら決まっていない国はデッドラインを過ぎた」「全ての国で間に合わせるようにする目標は変わらないが、達成できなかったとしても大目にみてほしい」と話しています。

■“最大の課題”は「交通アクセス」 バス運転手不足も深刻

1日に最大23万人の来場が見込まれる今回の万博。主な交通手段は、新設される会場直結の地下鉄新駅と主要駅からのシャトルバスです。会場のある夢洲へ繋がる道路は“2本だけ”。島には、万博期間中に工事が本格化するIRの予定地やコンテナターミナルがあるため、大型車両が行き交い、ここにシャトルバスが加わることで、相当な渋滞が懸念されます。万博の国際機関トップも、交通アクセスが“最大の課題”と強調しています。

取材したバス会社は、万博へ200台のバスを出してもらえないかと協力を要請されといいます。悩みの種は“運転手の確保”です。運転手不足は深刻で、万博協会によると主要な路線「JR桜島駅〜万博会場」シャトルバスでは、運転手が180人必要なところ、100人程度不足している状況です。

コロナ禍で大幅に人員を減らしたバス業界。すでに別の仕事に就いている人も多く、新たに運転手を募集しても集まらないといいます。この会社では、他の業務の運転手を万博に回すなどして人員をかき集める予定です。

 

(読売新聞オンラインより)

「万博の華」のパビリオン、20か国減の40か国程度の見通し…返上の予定地は「芝生の広場」に

 

2025年大阪・関西万博で海外パビリオンの建設が遅れている問題を巡り、参加国が自前で建設する「タイプA」のパビリオン数が当初想定していた60か国から40か国程度に減る見通しであることがわかった。政府は、自前での工事のメドが立たない参加国に対し、複数の国・地域が共同利用する「タイプC」などへの移行を働きかける方針だ。

 

 複数の政府関係者が明らかにした。タイプAは、独自設計によるデザイン性の高い外観が特徴で、「万博の華」とされる。問題が表面化した直後の昨年8月の時点では60か国が希望していたが、これまでにメキシコが撤退したほか、ブラジルが、万博の運営主体である日本国際博覧会協会(万博協会)が建設を代行する簡易な「タイプX」に移行した。スロベニアやイスラエルなどもタイプCに移行を決めており、少なくとも8か国がタイプAを断念した。4月13日時点でもタイプAを希望する17か国で工事業者が決まっていない。

 

 政府は万博協会の参加国向けガイドラインに基づき、当初、工事を7月までに終えるよう求めていたが、参加国から、資材高騰などを理由に予算内で工事を行えないとの意見が出たため、2月、完了時期を10月中旬まで延期した。

 

 夏に着工のメドが立たない場合は、パビリオンの建設予定地の返上を求める。参加国の国内事情も絡むため、丁寧に合意を取りつける考えだ。跡地は芝生の広場として活用することを検討する。

 

 

 

 

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