(毎日新聞の記事より)

韓国総選挙で長ネギ論争 「タマネギ男」も「心の中に長ネギ」

 

 10日投開票の韓国総選挙(定数300)を前に、「長ネギ」が最大のキーワードになっている。日本で「タマネギ男」の名で知られる進歩系新党「祖国革新党」の曺国(チョグク)代表は、南部・釜山で事前投票をした後、ネット交流サービス(SNS)に「釜山は長ネギ栽培で有名な街。心の中に長ネギを抱いて投票した。長ネギ革命!」と投稿。

(1年前の東京新聞の「玉ねぎ男」の記事)

 

投票所への長ネギの持ち込みを巡っても議論が起きている。

 発端は、3月中旬の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領の発言。スーパーマーケットを訪れた尹氏は、長ネギについた値札を見て「長ネギ875ウォン(約100円)なら妥当な価格だ」と述べた。近年、韓国では物価が大幅に上昇しており、物価高対策も選挙の争点になっている。尹氏の発言に対して「875ウォンは破格の安さで(通常の長ネギの値段は)妥当ではない。庶民の生活を知らないのでは」といった声が上がり、野党陣営も尹氏の発言を批判。与野党間でネギが1束だったのか1本だったのかが論争に発展した。

かくして長ネギは政治的なアイコンとなり、野党支持者は集会で「尹錫悦 長ネギ」と書かれたプラカードやネギを掲げるようになった。韓国語で同じつづりの「長ネギ」と「大破(大敗)」をかけた形だ。

(ブログ編集部注:「長ネギ」も「大破」も、韓国語では대파(テパ)で同じ文字、同じ発音です)

 

 事前投票が始まった4月5日、中央選挙管理委員会は投票所の運営職員に対し、「長ネギを持った選挙人には投票所の外に長ネギを保管した後、投票所を出入りするよう案内する」といった通達を出した。市民から「長ネギを持って投票に行けるか」との問い合わせを受けたためとしている。

 中央日報によると、政府への抗議の意味を込めた長ネギの持ち込みは「政治的行為」にあたり、「他の選挙人に心理的な影響を与える可能性がある」と判断されたという。ただ、投票後に、投票所の外で長ネギを持って写真を撮ることは可能としている。

 

 

 

 

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