(東京新聞の記事より)

殺傷兵器の輸出を解禁することで自民・公明が合意 密室の協議で大転換 国会抜きで指針改定へ 次期戦闘機

 

 自民、公明両党は15日、英国、イタリアと共同開発する次期戦闘機の日本から第三国への輸出解禁で合意した。政府は輸出方針を閣議決定した上で、26日にも「防衛装備移転三原則」の運用指針を改定する。典型的な殺傷兵器である戦闘機の輸出解禁は、平和憲法の理念に基づき、武器輸出には抑制的に対応してきた日本の安全保障政策の大転換となるが、国会の関与はないまま、自公両党は「密室」協議で決定。実際に輸出の個別案件を決める際にも、野党を含めた国会の監視は届かないことになる。

 

◆「政府だけで行う閣議決定は何の歯止めにもならない」

 上智大の中野晃一教授(政治学)の話 戦闘機は「戦闘」目的であることに間違いのない武器。戦闘に使わないことを想定して輸入する国はない。岸田文雄首相は「平和国家としての基本原則は変わらない」と言うが、日本が造った戦闘機で人が殺されたら、平和国家でなくなることになる。

 安全保障政策の変更を国民が見えないところで決めていることも非常に大きな問題だ。政府だけで行う閣議決定は何の歯止めにもならない。2014年に憲法解釈を変更し集団的自衛権の行使を容認した時も、自民、公明両党の共同作業だった。今回も与党内でもめているのを国民に見せることで、政府から何かしら譲歩を引き出したように見せかけているが、実際には政府の決定を遅らせただけだ。

(HUFFPOSTのニュースより)

「虐殺に目をつぶるというメッセージ」防衛省のイスラエル製「攻撃用ドローン」購入検討、専門家が警告

防衛省が、イスラエル製の攻撃用ドローンの導入を検討していることが、市民団体「大軍拡と基地強化にNO!アクション2023」による2月下旬の省庁交渉で明らかになった。

 

運用実証が決定した機体の製造元には、エルビット・システムズやイスラエル・エアロスペース・インダストリーズ(IAI)など、イスラエルの軍需産業の代表格である企業が名を連ねる。

 

イスラエルによるパレスチナ自治区ガザ地区への攻撃で多くの民間人が殺害される中、イスラエルとの関係を見直す動きが国内外で相次いでいる。

 

国際司法裁判所(ICJ)は2月、イスラエルに対し、ジェノサイド行為を防ぐあらゆる手段を講じることなどを求める暫定措置命令を出した。ICJの決定などを踏まえ、伊藤忠商事が子会社を通じてエルビット社と結んでいた協力覚書を終了するなど、複数の日本企業がイスラエル企業との契約終了を発表している。

 

さらにオランダの高等裁判所は2月、同国政府に対し、イスラエルへのF35戦闘機の部品輸出を停止するよう命じた。コロンビアでは同月末、ガザで支援物資を受け取ろうと集まった人々がイスラエル軍に殺害されたことへの抗議として、ペトロ大統領がイスラエルからの武器購入を停止すると表明している。

 

カナダ政府も3月、イスラエルへの武器輸出を無期限で停止していることを明らかにした。

 

防衛省が打ち出している計画は、こうした国内外の動向に逆行するものだ。