ビートルズ、中国の「老子」の思想を歌にしていた

(「人生朝露」というブログの記事から引用させていただきました。)

https://plaza.rakuten.co.jp/poetarin/5036/

 

元々は、ジョージ・ハリスン夫妻が主導的な立場でインドの瞑想に興味を持ったのは確かなので、「仏教」という枠組みでビートルズと東洋思想に触れる人は多いですが、それだけとは言えません。

例えば、ジョージの“While My Guitar Gently Weeps”のタイトルは、四書五経のうちの一冊『易経(I-Ching)』から着想を得て、本を選んで、そこからランダムにめくって「すすり泣く(gently weeps)」という単語を引き当てたとジョージが証言していますし、

 

ティモシー・リアリーのカリフォルニア州知事選挙の応援歌として作曲されたジョンの“Come together”というタイトルも『易経』からです。

 

編集部注:しかし、ティモシーはマリファナ所持で逮捕され、選挙運動は中止となりました。

ビートルズの楽曲には『易経』だけでなく、『老子道徳経』や『荘子』からの引用が見られます。

間違いないのは、1968年のシングルカット、“The Inner Light”でして、

“Without going out of your door
You can know all things on earth
Without looking out of your window
You can know the ways of heaven”

とありますが、これは『老子道徳経(Tao te ching)』の、第四十七章です。

『不出戶知天下、不窺牖見天道。其出彌遠、其知彌少。是以、聖人不行而知、不見而明、不爲而成。』(老子道徳経 第四十七章)
→戸を出ずに天下を知り、窓から窺わずに天道を見る。その出るがいよいよ遠ければ、その知るは少なし。是を以て聖人は、行かずして知り、見ずして明らかにし、為さずして成る。

そのまんま老子です。

 

 

(以下が、この歌の全歌詞)

Without going out of my door

I can know all things on Earth

Without looking out of my window

I can know the ways of Heaven

The farther one travels

The less one knows

The less one really knows

 

Without going out of your door

You can know all things on Earth

Without looking out of your window

You can know the ways of Heaven

The farther one travels

The less one knows

The less one really knows

 

Arrive without traveling

See all without looking

Do all without doing

編集部注:この曲は裏面でしたが、表面の「Lady Madonna」は大ヒットしました。

 

 

Lady Madonnaというのは「マリア様」という意味で、最初聖母マリアに捧げる歌だったけど、作っているうちにリヴァプールで働く女性に捧げる歌に変わってしまったそうです。

ビートルズ、とにかく奥が深い!