(千葉日報の記事より)

<習志野市の不適切会計> 分割発注で入札回避 市監査委員調査結果公表 「不誠実な事務処理」

 

この記事には、

●契約も結ばず、工事を発注し、つじつまを合わせるために虚偽公文書を繰り返し作成した

●宮本市長が「市民の信頼を損ねる違法行為。深くおわびする」と陳謝した

●市民オンブズマンが監査請求したところ「下水道課以外の部局を含む抜本的調査はせず、請求は棄却」とされてしまったものの

➀130万円以上の工事は入札対象だが、入札を避けるため、入札が不要な115万円で発注。残りの137万円は分割して他の7つの工事に上乗せしてつじつまを合わせた

花火大会の会場整備費74万3000円を、全然関係ない下水道工事に上乗せした

などの不正を行った

消費税8%の時に「契約なしで」発注した工事について、つじつまを合わせるため他の工事に金額を上乗せして、消費税10%になってから支払ったため、差し引き2%分、市に損害を与えた

ことなどが書かれています。

 

この事件について、27日に続き、28日の市議会でも追及


他市は公表しても、習志野市は公表しない(市長)

 

(鴨議員)「下水道課の不正事件、二度と起きないようにするためにも、事実を公表すべき

(宮本市長)「盛岡市や延岡市ではホームページに事件の調査内容や再発防止に向けた取組みを載せている。一方、習志野市は内部通報で明らかになったものであり、事業者、関係職員の特定につながる情報は制度の趣旨にかんがみ公表できないものととらえている

解説

市長の答弁、意味不明ですね。
警察の捜査で明らかになったにしろ、内部通報で明らかになったにしろ、事件の調査内容や再発防止に向けた取組みを市民に公表するのは当たり前。要するに「公表はしたくありません。これ以上追及しないで」と言っているだけですね。

 

監査報告で明らかにされた事件の概要を、なぜ市民には隠すのか?

 

(鴨議員)「市民の方(やメディア)がこの事件で情報開示請求したところ「真っ白」や「真っ黒」の書類だけで全く何もわからない。市議会で議員が事実を明らかにするよう求めても何も話さない。事件を隠ぺいしている、という認識はあるのか?」

(総務部長)「通報者、(不正に関わった)関係職員、事業者を保護するため資料の公表を控えた。一部公開した内容もあるので、隠ぺいには当たらない」

(鴨議員)「いつもそんなことばかり言っているので住民監査請求をし、監査報告が出ました。請求については『棄却』ということだったが、今回の事件の内容については明瞭に記載されている。監査委員であれだけのものを出せるのに、なぜ行政当局は出せないのか?

「監査報告」が出したくらいのものを出せば①通報者の保護もできるし、②氏名や業者名もABCで表示、ということで何ら問題ではない。何で出せないのか?」

(総務部長)「監査報告については答弁を控える

解説

今まで習志野市は「事実を公表すれば関係者を保護できなくなる」というのを口実に事実を隠ぺいしてきましたが、監査報告をみればわかるとおり、関係者は特定できない形で報告書が出されている。要するに「関係者の保護」というのは事実を隠すための口実に過ぎなかったわけですね。

 

内部通報者が保護されていないと、内部通報ができなくなり、不正が横行することになる

 

(鴨議員)「一番の再発防止策は市の職員があちこちで内部通報することだと思っている。市がおかしいことをやっていたら通報する。それを受け入れて内部コンプライアンスをきちっとやれれば、これに勝る再発防止策はない。通報者が保護されていない、異動させられた、という話も聞くが…」

(総務部長)「法律で、内部通報者に対する不利益な取扱は禁止されている。異動は適切に行われている」

 

下水道課以外はおとがめなしで「棄却」という決定はおかしい

(鴨議員)「監査では『企業局(下水道課)では是正措置が取られたので棄却』となったようだが、監査報告に『本庁の都市環境部の部品購入を下水道課が頼まれた』と書かれているとおり、部局をまたがって今回の事件は起きているので、企業局に是正勧告を出したから『棄却』という監査の決定はおかしいと思う

(総務部長)「都市環境部のイベントの部品調達もからんでいますが、都市環境部に是正勧告は出ていません。しかし『法令を遵守するように』という通知は副市長から出しました

 

この違法行為で市に損失も与えた

 

(鴨議員)「消費税8%の時に行われた不正のつじつま合わせを消費税10%になってから清算している。2%分の損失を市に与えた。
それと130万円までは担当課で随意契約できる、となっているが、130万を超える事業については、2分割して130万円を超えないよう操作した、とも監査報告に書かれている。そんなことが行われているのに『棄却』というのは納得できない

’(監査委員事務局長)監査の結果に異議があれば住民訴訟に訴えることができる。監査結果については答弁を控える

 

市の組織全体で不正が行われたのに市長はおとがめなし?

 

(鴨議員)「一定の数の職員がいくつかの課にまたがって職場全体の中で派生した事件。市長の管理監督責任が問われ、それに基づいて職員の処分が行われる、とうのが常識。市長が全くおとがめなし、というのはつじつまが合わない

(総務部長)「市長は深くお詫びする、と言っている。市長の処分がどうこうというより事件の再発を防ぐことが大事」

解説

「お詫びすると言った」からいいでしょう、という市長の姿勢が改められない限り、今回のような事件の再発は防げませんね。

 

 

 

 

 

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