花粉症と漢方7(完・携帯リンク付) | 漢方ルーム・じおん

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不妊カウンセラーです。

今回で完ですが、ちと長いです・・・

前回6(全バックナンバー・リンク付)はこちら↓

http://ameblo.jp/sumiredou/entry-10783530374.html


これらが、すみれ堂でご提案する花粉症漢方薬のごく一例。
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主な処方の方向性は、前回記事の最後にふれましたが、もう少し漢方的に述べると、

1.水穀の気(飲食物)が、身体の各組織を作る~消化器が不調だと、粘膜そのものの質が悪くなる。

●脾胃気虚(消化機能全般がはかばかしくない)

=「片仔黄(へんしこう)」などの、根本的な健胃益脾剤。


2.脾胃の機能失調により、体内に湿(病理産物的な水分と思ってください)が溜まる~体内がじくじくしてる。

●冷え証の方で湿が溜まったら

=「苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)」などの、温化利湿剤。

●熱の証の方で湿が溜まったら

=「五苓散(ごれいさん)」などの、清熱利湿剤。

湿はむくみや腫れぼったさの原因でもあるんで、これらを尿ですっきり排出させるっていうお薬です。


3.喫煙や排気ガス、あるいは総合感冒薬などの飲み過ぎなどで肺を傷める~例えば空咳がつづく~肺の陰の気(潤い)が減る~肺本来の「全身の気や水分の調整ができなくなる」~体内で、乾いてる部位、じくじくしてる部位、など乾湿のアンバランスが生じる(のどのイガイガ、鼻のヒリヒリ、そんで便秘も乾いてる部位ね)。

●肺や胃に不足してる陰を補う

=「麦門冬湯」(ばくもんどうとう)などの、滋陰潤肺剤。
●もっとひどく肺が乾いてるなら

=「滋陰降火湯(じいんこうかとう)などの、★温病(あとで説明します)用の清熱剤。

古くは肺を「華蓋(かがい)」と呼びましたん。畑の花に水をやるように、あぜ道(呼吸の通り道)の鼻やのども潤してかないとね。

4.血行が悪い~粘膜に限らず、求められる身体の各部位に酸素や栄養が行きませんよね。

これについては、もう書ききれないんで、省きまする。

血行不良の原因が、ストレス性、筋肉疲労性、血虚性(1.に関わるけど、血が足んない状態)、気虚性(3.に関わる)、婦人科性etc、etcと多々ありすぎるんで。


とはいえ、上記のような体質改善(本治)とともに、粘膜ステージにも直接的な闘い(標治)を挑むとなれば、これが併用したい目下注目のお薬なんです。

5.★温病(うんびょう)用の漢方薬

温病というのは、「四季折々に発生する、いわば一種の異気。その感染経路は鼻と口」と定義されておりまする。

通常、外から入ってくる邪は、風の邪でも寒の邪でも、体表に攻めかかってくるんだけど、温病は、粘膜への直撃ってことになる。

で・・・、

第4回に書いた外用薬にも通じるんだけど、温病用の生薬っていうのは「辛涼透発(しんりょうとうはつ)」。

体表よりちいっと奥に巣喰ってる邪を、体表へと解毒させていくんです。湿疹なんかもこのメカニズムを用いるんですけど、粘膜に悪さしてる邪を、内から噴き出させるって効能。

そんな生薬たちを多く使ってるものを探してたら、

=「銀𧄍解毒散(ぎんぎょうげどくさん)や「快鼻膏(かいびこう。シロップ剤です)」がありましたん♪

銀𧄍散という風熱のカゼ用の漢方薬がもとになってますが、インフルにも良い抗ウイルス作用の金銀花がメインの一翼を担ってまする。

(ちなみにこの金銀花、一昨年前までは食用で流通してましたが、今は医療用の扱いに昇格っす)

まとめ

かなり長くなってすんませんでしたっ!!

粘膜力を鍛えるには・・・スポーツにたとえれば、1~4が基本の筋トレ、5がルールに準じたテクニック、

そんな二段論法を磨こうというオチでございました。おしまい


【ぜひご参考に】

こちらは中医的な記事ですけど、あなたの体内に流れてるものを見つめる参考になるかな。一度読んでみてね♪

●気と血と水と電気1

http://ameblo.jp/sumiredou/entry-10434737784.html

●気と血と水と電気2

http://ameblo.jp/sumiredou/entry-10435821721.html

●気と血と水と電気3

http://ameblo.jp/sumiredou/entry-10435930929.html


【オマケ】

大ヒットしてますね。鼻の下に塗ったイオンに花粉が吸着♪
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