日時:2024年7月28日(日)18:00~19:40
会場:上野恩賜公園野外ステージ(水上音楽堂)

出演者:横山智佐(真宮寺さくら)、田中真弓(桐島カンナ)、 園岡新太郎(ダンディ)、内田直哉(マイケル・サニーサイド)、翼和希/OSK 日本歌劇団(汐月ひかる)、 西村陽一、Velo武田、上原健太、 CHAKA/MASUMI、Taito、Akht、(帝都浪漫楽団・愛)、 青井美文、望月美奈子、建守良子、笠原ゆき枝 (敬称略)

 

 

日曜日の夜、サクラ大戦真夏のフェス 『真宮寺さくら誕生日会 〜119ctの輝き』を配信で視聴しました。

配信された番組は8月11日まで視聴できますが、アーカイブが消えてもこの日のことを心に刻んでおきたくてブログ記事に書かせていただきました。

サクラ大戦を見たことがないため、曲名などは一応調べて書いたつもりですが、間違い等がありましたらメッセージ等で教えていただけると助かります。

 

 

◆第一部 ~復活あのフェス~

 

①夢のつづき

②これがレビュウ!

 

二曲歌い終わると、横山智佐さんは『帝国歌劇団花組 真宮寺さくらです!』と自己紹介。

そして、帝都放送アナウンサー上原健太さん登場し、当日の放送(フェス)内容を説明。(今回のフェスは、帝都放送主催の公開生放送、という設定)

第一部は『復活あのフェス』(昨年秋に、愛知で予定されていたが突如中止になったフェス)をその夜の帝都放送のステージで再現するとのこと。

その後、『帝都浪漫楽団・愛』(専属のバンド)のメンバー紹介。

 

第二部は、真宮寺さくらのお誕生日会でスペシャルゲストの登場の予告と、その時の乾杯は会場で配った特注ラベルのお水や持参のお茶、黄金色の大人の飲み物等でしてください、というお願いがあり、さくらさんの歌が続きます。

 

③花の戦士

④花咲く乙女

⑤お祭りダンス(みなさん、コール&レスしてくださいね、とさくらさん)

 

 

◆第二部 ~真宮寺さくら誕生日会~

 

さくらさんは、1905年7月28日生まれのA型、この日で119カラット(この世界での年齢の単位)を迎えると自己紹介。

 

①『花吹雪・白浪弁天』桐島カンナ

桐島カンナ(田中真弓さん)が登場。手土産はかりんとう。(理由はあとでわかる)

カンナさんは、1903年9月生まれ120カラットだと自己紹介。

その後、カンナさんがハッピーバースデーを熱唱してお祝い⇒『花吹雪・白浪弁天』をデュエット

 

※カンナさん、歌がとてもお上手で、ためてためて歌い上げるハッピーバースデーにテンポを合わせて演奏されるのは、生バンドならではの素敵なところだと思いました。

 

②『カモナ浅草』団耕助

ダンディ団のボス・団耕助(園岡新太郎さん)、子分その1・西村ヤン太郎(西村陽一さん)、子分その2・ベロムーチョ武田(Velo武田さん)が登場。団耕助さんとさくらさんが『カモナ浅草』をデュエット。

♪深川 鍋焼きうどん 鴨鍋…スパゲティ ハヤシライス…ステーキ ステーキ ステキ浅草、と浅草の美味しいものオンパレードのとても楽しい歌でした。

ダンディ団のボスは、とても艶やかで魅力的な歌声で、さすが声優さんだと思いました。

 

③『ここはパラダイス』マイケル・サニーサイド

ニューヨークから飛んできたというマイケル・サニーサイド(内田直哉さん)が登場。

『ここはパラダイス』というリトルリップ・シアターのテーマ曲を二人で熱唱。

 

④汐月ひかる

大阪よりOSK日本歌劇団の汐月ひかる(翼和希さん)がお祝いにかけつける。

汐月ひかるとは五年ぶりの再会で、逞しく素敵になったひかるを見て、朝ドラで観ていたので久しぶりのような気がしなくて、とさくらさん。

二人は、2019年に京都南座でサクラ大戦とOSK日本歌劇団とコラボした『サクラナイト』で共演。

ここで、他のゲストも登場して、南座での公演の想い出トーク。

 

 

《サクラナイト想い出トーク》

サクラ大戦がOSKとコラボした公演『サクラナイト』は、一部がOSKとサクラ組が歌と踊りの稽古をする場面で、二部がフランス革命をテーマにした『新・愛ゆえに』という劇中劇。(80分)

その劇中劇の中でさくらさんは花売り娘のクレモンティーヌ、ひかるさんはラスカル役をされたことを説明。【その時の公演の様子が画像入りで詳しく書かれた記事がありました⇒京都・南座でサクラ大戦コラボ公演開幕! 祇園に轟く「ゲキテイ」にOSKファンも総立ち!

 

劇の中でカンナさんは一回のみのゲスト出演で説明役。その時に、クレモンティーヌではないのに花売り娘の格好だったので、「自分はクレモンティーヌではありません、ダレモンティーヌ?」とその時のことを言われるのですが、サッと声色を変え、歌うように言われたのは、さすが声優さんだなと思いました。

お稽古場では、道端に落ちているものをかりんとうかな?犬のフンかな?と拾って食べる仕草をされたことがあり、それを見た演出兼振り付けの先生がOSKコードに触れないかいったん帰って劇団で審議し、結果的にその時舞台上にカンナさんしかいないことからOKをいただいたというエピソードを披露。(だからカンナさんの手土産がかりんとうだったのですね)

その話をしている途中で、突然カンナさんは横に並んだひかるさんを見上げて「ちょっとごめん、汐月くん、あたいは198㎝だが、君はいくつあるんだ身長?」と尋ねると、ひかる役の翼さんは「私3mです!成長期が止まらなくて」と笑いながら即答し、客席から笑いを誘われる場面も。

また、サクラ大戦では、帝国歌劇団の『海神別荘』という演目で赤鮫の役を三枚目的に演じられているカンナさんが、同じ役をOSKの昼間の公演『海神別荘』で、眼帯にロングコートといういで立ちでとてもかっこよく演じられていた劇団員さん(華月奏さん)をご覧になられて、ご自分が恥ずかしかったとも言われていました。

 

サニーさんは、花道のセリ(すっぽん)から登場される時、セリからカッコよく登場できると最初喜ばれていたそうですが、出番前にそのセリは歌舞伎では妖怪など人にあらざる者が出てくるセリだと知り、セリ上がりの時から魔術にかかったようになり、歌い初めに歌詞を忘れてしまったそうです。

また、OSK100年の歴史の中で男性がOSKの舞台に登場したのは初めてで、男性が入れない箇所があったりとたくさんの制約があったそうですが、ボスとサニーさんは差し入れを持ってこっそり禁断のフロアを訪れたりされていたそうです。

ダンディ団のみなさんは、終演後もお元気で楽屋でプシュッ(黄金色のあの飲み物?)とされていたことを翼さんがさりげなくバラされ、みなさんで笑いながらとても楽しそうに当時を振り返っていました。

 

ここで、アナウンサーからそろそろ時間だと促されると、さくらさんは汐月ひかるさんのエピソードがまだだと慌てられ、翼さんはぴょんぴょんとさくらさんに歩み寄って「私まだです!」アピールをされていたのですが、その姿が何とも可愛らしくて颯爽とした男役とのギャップにきゅんとさせられました。

汐月ひかる役の翼さんのエピソードは、劇中劇『新・愛ゆえに』の終盤、ラスカルがオンドレをかばって「オンドレ危ない!」と撃たれる場面で、「アンドレ、あオンドレ?アンドレ?オンドレ?」とわからなくなって呼び間違えてしまい、真剣な場面なのに笑いが止まらなくなってしまい、その後、オンドレ役の日立昇さん(楊琳さん)の腕の中で倒れている場面では、肩を震わせ必死に笑いをこらえていたそうです。(原作がベルばらだったので、どうしてもアンドレを思い浮かべてしまったとのこと。ベルばら大好きな私は、このサクラナイト、観たかったです)

【原作のベルばらでは、アンドレがオスカルをかばって撃たれるので、逆パターンだった模様】

想い出トーク中、公演中のお話しをされている出演者たちの横で、翼さんは汗をかかれているカンナさんに気が付き、ポケットからサッとハンカチを取り出しカンナさんに差し出すという、とても紳士的で素敵な一幕も。【ここ、翼さんの自然なナイトぶりがさすが男役だと思わせられました】

カンナ役の田中真弓さんは、今放送中の朝ドラ『虎に翼』に主人公寅子の新潟の家のお手伝いをしているイネさんで、ひとつ前の朝ドラに橘アオイ役で出演されていた翼さんとは朝ドラ繋がりで仲良しなのですね。

声色から容姿まで、イネさんとはまるで別人のようなカンナさん、終わってからイネさんの中の人だったのだと気が付きました。

 

 

◆OSKサクラナイトメドレー

 

①ダンディー

ダンディ団と汐月ひかるによるダンディーを歌って踊る場面は、翼さんとダンディ役の園岡さんの歌の掛け合いとタップダンスの応戦が素晴らしく、とても魅せられました。

翼さんのこの日のお衣裳は、黒のシャツ、ブラウンのズボンにカフェオレ色のビジュー付きベスト、ベストと同色のソフト帽というシックないで立ちで、舞台での煌びやかなお衣裳姿とはまた違った大人の男性の魅力が溢れ、ダンディという曲の歌詞と相まって、野外のほの暗い照明の中でとても艶っぽく素敵に輝いていて、『ダンディ』そのものでした。

 

②島風

カンナさん歌う島風は、沖縄民謡調のとても心に沁みる歌で、カンナさんの歌唱力の素晴らしさを堪能しました。

何度も言うようですが、歌も本当にお上手でびっくりしました。

 

③ウィーラブレビュウ

出演者全員で歌って踊るウィーラブレビュウは、フィナーレのようでとても華やかで壮観でした。

翼さんは、伸びやかな歌声としなやかなダンスで、みなさんと溶け合いながらも本物の歌劇団の男役スターらしく光り輝いていて、本当に素敵でした。

さくらさんとダンディ団のみなさん、バックダンサーの方たちも帝国歌劇団としてとても自然に歌って踊っていて、声優さんって歌もダンスもこんなにお出来になるのかと驚かされました。(きっとたくさん稽古されたことと思います)

 

④LOVE is

出演者全員で「愛こそすべて」と歌って踊るにぎやかな曲で、翼さんもノリノリで歌って踊っていました。

 

⑤夢見ていよう

サクラさんと翼さんとのデュエットで始まり、二人はしっとりと美しいハーモニーを聴かせてくれました。

途中からカンナさんの力強い歌声が加わり、未来はきっと希望にあふれ君のそばにある、だからずっと夢見ていよう、と聴く者すべてが励まされるような応援歌が心に響きます。

歌の最後の方で翼さんがサクラさんに語り掛ける台詞(いつも夢を持って・・・)があり、「ハイ」と答えるさくらさんをやさしく見つめる翼さんの眼差しがそれはもう素敵で、心に沁みるとてもいい場面でした。

最後は三人の美しいハモリで終わる素敵な曲でした。

 

 

《トーク》

汐月ひかるの○○カラットは4月15日ですと、年齢はぼやかしてユーモラスにお誕生日をお話しする翼さん。そして、五年経って悲願の再コラボをとても楽しみにやってきたという翼さんは、あっという間に終わってしまうフェスに泣きそうな心境を述べられた後、8月に新橋演舞場で上演されるOSKの公演(日立昇と花房夢子の卒業公演、とサクラ大戦の役名で)の宣伝と来年の二月の東京である公演の宣伝をされていました。

さくらさんは、暑い中フェスに集まってくれたお客さまにお礼を述べられ、この猛暑で来年のお約束はできませんが、また何か催しをと思っていますので、その時は元気なお顔をみせてください。毎年の安否確認になっているのでお顔が見えないと心配になってしまうのでぜひまたお会いしましょう、と締めのご挨拶。

また、配信を視聴のみなさんにもお礼のご挨拶。

 

⑥檄!帝国華撃団(ゲキテイ)

帝国歌劇団のテーマソングを全員で歌って踊る『ゲキテイ』、舞台上も会場もとても盛り上がっていました。

客席からはペンライトが揺れ、みなさんゲキテイを一緒に踊っている様子で、舞台と客席が一体になって最高の盛り上がりで幕を閉じました。

 

公演終了後は、さくらさんが会場を走り回って、客席の方とハイタッチをして回り、ファンの方たちとの別れを惜しまれていました。

90分という長丁場をほぼ出ずっぱりで歌って踊ったさくらさんのどこにこんな体力が残っているのだろう?と不思議に思われるほど、素晴らしい走りで、こんな風に温かいところがファンにはたまらないんだろうなと思いました。

 

 

◆感想

最初は、サクラ大戦というゲームも漫画も全然知らなくて、OSK日本歌劇団の翼和希さんが出演されるということで、その場面を楽しみに観始めました。

サクラ大戦を知らないので、もちろん歌も知らない曲ばかりだなぁと思いつつ観ていたのですが、みなさんのパフォーマンスの素晴らしさと熱量の高さに惹かれ、途中からこの世界にだんだん入り込んでいきました。

そして、サクラナイトメドレーあたりから、帝国華撃団として熱く戦う乙女たちの姿を思い描いていて、ラストのゲキテイの頃にはすっかり違和感なくその世界に溶け込んでいました。

たくさんの人を魅了し、猛暑の中多くのお客さまがフェスに集うのには、それなりの理由と魅力があるのだと観終わってから実感しました。

今回のフェス視聴で、それまでは未知の方だったさくらさん役の横山智佐さんに、一気に親しみがわきました。

8月8日のトークショーに横山智佐さんがゲスト出演されるそうで、ちょうどその回を観劇予定ですが、これで当日のトークも100%楽しめるような気がしました。

新橋演舞場での『夏のおどり』でもしゲキテイが歌われる場面があれば、京都南座での観劇時よりも自分も絶対に盛り上がれると思いました。

また、今回のフェスの参加された翼和希さんは、公演の稽古の合間を縫っての参加だったので、歌われる曲も一曲ぐらいで10分位観られるぐらいだろうなと思っていたのですが、トークからサクラナイトメドレーまで約40分、5曲歌って踊っての大熱演でした。

当日合流したと思われる翼さんは、そんなことは微塵も感じさせない見事な歌と踊りで他のメンバーとぴったり合わせられ、日々の鍛錬が発揮された素晴らしいパフォーマンスで、OSKの魅力をサクラ大戦ファンの方たちにもしっかりアピールされたのではないでしょうか。(Xで、OSK素晴らしい、公演を観に行きたい、ひかるさんカッコイイ、素敵、というポストをたくさん拝見しました)

 

アーカイブの視聴は8月11日までとなっているようですので、夏のおどりで横山智佐さんがゲストの回のトークショーを楽しまれたいという方は、このフェスの視聴をされてから行かれるといいかなと思いました。

トークショーが120%楽しめること間違いないです。

視聴チケットの購入はこちらから→サクラ大戦真夏のフェス『真宮寺さくら誕生日会〜119ctの輝き』

 

 

ちなみに、サクラ大戦とは、1996年9月27日にセガ・エンタープライゼスよりセガサターン用ソフトとして発売されたドラマチックアドベンチャーゲームで、後にゲームのみならず、アニメや舞台などのメディアミックス作品として発展することとなったサクラ大戦シリーズのナンバリングタイトル第1作目で、『サクラ大戦1』とも称される、とのことです。

作品の舞台は太正12年(架空の年号)の日本で、平時は帝国歌劇団として舞台に立つ少女たちが、いざとなったら帝都の平和を乱す魔に立ち向かう秘密部隊「帝国華撃団・花組」の隊員として戦う物語がサクラ大戦で、原作者の広井王子さんが、叔母の水品美加さんが所属していた松竹歌劇団に着想を得て発案したそうです。(参照と引用:Wikipedia

最初のこの作品とOSKがコラボしたと知った時、サクラが共通する歌劇団という偶然もあるものなんだなぁとぼんやり考えていたのですが、偶然ではなかったのですね。

今年二月に、翼和希さんの浅草コンサートに出かけた時にも、浅草はサクラ大戦の本拠地でもあるのでうれしいとご挨拶されていて、サクラ大戦について当時も調べてみたのですが、コラボした公演のこともなかなか頭に入ってこなくて理解できていなかったのですが、今回の真夏のフェスを視聴して、OSKとのコラボ作品『サクラナイト』がどんな作品だったのか、その時の昼間に公演があったOSKの海神別荘という作品がどのようなものであったのか、ようやく輪郭が見えてきました。

百聞は一見にしかず、とは本当ですね。

真夏の暑い夜に繰り広げられた熱いパフォーマンス、出演者の方も参加された客席のみなさまも大変お疲れさまでした。