目:トクサ目
科:トクサ科
属:トクサ属
種:トクサ
この植物は子供の頃、学校帰りに沢山見ました。
時々、土から引っこ抜いて節の所からポキポキ折って、
そうやって歩きながら遊んで帰った覚えがあります。
【トクサ】は「砥草」と書くそうです。
これは、研磨作用が優れていて、
茎で色々なモノを研磨出来るコトから付けられたそうです。
茎には細胞壁にケイ酸という物質が含まれていて、
これが研磨出来る物質のようです。
高級なつげぐしの歯・漆器の木地加工・木製品など、
色々なモノが昔から研がれてきました。
それから、ビックリしたのが、
クラリネットなどのリード楽器の竹製リードを磨くのも、
この【トクサ】の役目だそうです。
子供の頃は、ただ単にポキポキ折って遊んでいただけでしたが、
実は凄い作用が【トクサ】にはあった事が解りました。
それよりも、このグラスはどうやって生えて来るのかな?
っと思ったら、茎の先にある丸い部分に胞子が含まれているそうです。
この茎先も子供の頃にポキポキして捨てていた部分です。
それから【トクサ】の茎は少しギザギザしているのですが、
このギザギザが葉の部分なのだそうです。
この茎は煮て乾燥させたものを紙ヤスリのようにして使うそうです。
【トクサ】は、とても不思議な植物でした。
そして何処にもお花が咲いている事は記載がありません。
それでも、現在では観賞用として栽培している方もいらっしゃるようです。
【トクサ】は本州中部から北海道にかけての山間の湿地に自生します。
北半球原産ですが庭園に使われたりするのは、
日本以外では見かけないそうです。
それから、凄く面白かったのは【トクサ】の事を調べていたら、
その次の週は【トクサ】の生け花を活けました。
~14.09.10正風体生花三種生 紫陽花・トクサ・ソケイ~
正風体、直立系3種。
やっぱり、足元が凄く難しかったです。
【トクサ】の中は空洞なので剣山に刺すのはそれ程、難しくないのですが、
スカスカなので時々、刺さらない時があります。
それより余り力を入れ過ぎると節からポッキリ折れる事もあります。
【トクサ】の扱いは丁寧でなくてはいけないんだと思いました。
それにしても、子供の頃に遊んでいた【トクサ】が、
こんなふうに生け花の花材になる事に凄く驚きました。
それから【トクサ】も最近、森などで見掛けなくなった花材です。
子供の頃は、あんなに沢山あったのに、
今は何処に行ってしまったんだろう?と思います。
今回の画像の【トクサ】は植物園の中で見たモノです。
いつか、又自生している【トクサ】を見る日が来るのか、
それが少し心配です。