これを開けば、
また理佐に会える。
そんな気がして。
理佐に最後に会ったときに預かった
桜色の日記帳。
表紙をゆっくりと開いてみた。
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4月17日:
あと一年。
信じられなかった。
信じたくなかった。
だけど、一年もあるんだから
精一杯楽しむぞー!
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日記は、
そんなページから始まっていた。
「一年」
その具体的な数値に
心が苦しくなる。
次のページからは
お友達とこれを食べた、ここに行った、
たくさんの楽しい高校生活が綴られていて。
少しページを飛ばすと、
今年の冬まで季節が移り替わる。
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2月1日:
今日から私は転校生!
教室に入ってすぐにゆいちゃんを見つけた。
また、仲良くなれると良いなぁ。
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あ、あの日だ。
「あの日」以来、日記の中身は
全部ってほどに私とのことばかり。
ページをめくればめくるほどに
理佐との日々が鮮明に思い出される。
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2月12日:
今日も由依がかわいい!
以上!
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…なんだそりゃ(笑)
どうやら一年前に余命宣告を受けて、
わざわざ転校してまで
私に会いに来てくれたらしい。
そんなに私のこと好きだったんだ(笑)
由依:「…ふふっ」
でもやっぱり、
時には暗い感情も綴られていて
そのたびに
私の知らない理佐を知れるようで
悲しいけど
なんだか心がじんわりと熱を帯びていくような
そんな訳の分からない気持ちにもなって。
由依:「ん?なんだろこれ、」
急に文字の大きさが小さくなった
ぎゅうぎゅう詰めのページを発見する。
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月 日:
由依へ
(この日記、由依には見られないはずだから
素直に本音を書きます。)
まず、ずっと嘘をついててごめんなさい。
私ね、由依が大好き。
大好きだから、もうすぐ死ぬんだなんて
言えなかったし、言いたくなかった。
私、由依と日常を過ごしたかったんだ。
由依の笑顔が見られたらそれでいい。
由依には悲しい思いをさせたくない。
って、言い訳かなこれ(笑)
最後に、大きくなった由依に会えて
偽の立場だったけど彼女を体験出来て
たくさんたくさん一緒に過ごせて
とっっっても!しあわせ!
一つわがままを言うなら、
由依に、
由依と、?
え、わがまま何にしよう(笑)
また後で書きます、
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そこで日記は終わっていた。
本当は、
理佐が病院に帰った後
また続きを書くつもりだったんだろう。
でも、
中途半端な文章でも、
日記の中には確かに理佐がいた。
理佐の心の中には私がいた。
理佐は…
ちゃんと私のそばにいるんだ。
由依:「理佐…」
「ありがとう」
笑っているような
泣いているような
感情ぐちゃぐちゃだよ、…(笑)
〇〇:「どういたしまして、」
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純玲のつぶやき
言葉が怖くなることってありますか?
最近、櫻ちゃんたちのブログを読んでいて
言葉ってすごいなって思いました。
こんなにも温かい言葉が存在するんだね
一方で、
ここ最近、SNS上の言葉がすごく怖くて。
色んな角度の色んな主張を
見れば見るほどに正解が分からなくなって、
自分が良いな、好きだな、と思う意見とか
誰のどんな投稿にも批判が纏わりついてて、
気づいたら自分がふと誰かの投稿を見る時に
こんな批判が来るだろうなとか
世の中にはこう思われるんだろうなとか
想像できるようになってしまっていた
それでもスマホを長時間いじってしまう私は
自分で傷つきに行ってるのかな。
今は少しスマホ世界から目を逸らしたい。
私は私の言葉の在り方を見つけたいです。
(重い!!!笑)
いつも読んでいただき
ありがとうございます!!
また次回、お会いしましょう~