🌸
桜の舞う中
行われた卒業式。
みんな涙でぐちゃぐちゃな
一日だった。
…ようだ。
私と理佐ちゃん以外は。
理佐:「一か月くらいしかいなかったのに
さすがに泣けないかな(笑)」
由依:「そうだよね(笑)」
「私もあんまりいい思い出ないからな~」
理佐:「由依って周りに流されて泣くことなさそうだよね」
由依:「うん(笑)」
「人前で泣きたくないし。」
「特に好きな人の前では…涙みせたくないから。」
私なりの
精一杯の告白だった。
理佐:「私と一緒じゃーん(笑)」
分かっていてスルーしているのか
こんな言葉じゃ全く伝わっていないのか
絶妙なラインの返事。
理佐ちゃんらしいと言えば
それまで、かな。
由依:「ていうか…」
理佐:「うん…」
「私たち置いて行かれたね(笑)」
由依:「そもそも誘われてなくない?(笑)」
卒業式を終えて
クラスの子たちは
みんなでご飯を食べに行った。
理佐:「あっれ、おかしいなぁ(笑)」
由依:「理佐ちゃんと今こうして二人きりで
いられてるから良いけどね(笑)」
理佐:「うふふ」
「私もうれしい~」
放課後いつも遅くまで残ってた教室に、
最後の今日も二人きり。
いつになく沈黙が続く。
だって
卒業式の終わりは
私たちの別れを示しているから。
🌸🌸🌸
突然
強い風と共に
空いた窓から桜の花びらが吹き込む。
由依:「あっ…」
理佐:「桜、満開だね」
由依:「…本当に、」
「今日でお別れするの、?」
理佐:「うん…そうだね。」
「急に転校してきた私を受け入れてくれてありがとう」
由依:「あんな卒業式間近で転校してくる人初めて見たよ(笑)」
理佐:「自分でもびっくりだよ(笑)」
「私の彼女でいてくれてありがとう」
由依:「理佐ちゃんの彼女ですごく楽しかったよ?」
「フリ、だったけど、それでも。」
理佐:「私も。すごく…幸せでした。」
由依:「これからもずっと理佐ちゃんの隣にいたかった…」
理佐:「うん、」
「ごめんね…」
「私がもう少し…強ければ。」
いつもはキラキラしている理佐ちゃんの
目が陰った気がした。
由依:「弱くても、良いんじゃないかな」
理佐:「…えっ?」
由依:「理佐ちゃんに何があったのか私には分からないけど、」
「いつも強い理佐ちゃんでいる必要はないと思う。」
理佐:「由依…」
「ありがとう」
由依:「うん。」
「おいで?」
私が両手を差し出すと
理佐ちゃんはちょっとはにかみながら
私の方に近づいてきてくれた。
それは昨日より
ずっとずっと長いハグで。
ずっとずっと切ない時間だった。
由依:「ふふっ。」
何かっこつけてるんだろう
って
もう一人の自分は呆れてるけど
せめて君を思い出したときに
こんな美しい恋だったんだと思いたい。
独りよがりかもしれないけど
笑顔で見送った私を褒めてあげたいんだ。
さようなら。
理佐ちゃん。
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純玲のつぶやき
今回で最終回…ではないです!
もう少し、というかまだまだ、というか
お話は続きますよ~
櫻坂ファンの方にもそうじゃない方にも
声を大にして伝えたいのですが
「桜月」って楽曲の歌詞はとても美しくて。
一つの歌で一つの物語を読んでいるような
一晩の夢を見ているような。
もっと多くの方に届いてほしいな~
なんてただのファンながらに思っております
ではでは
次回もお楽しみに~!
また一週間、のんびり乗り越えましょう