デート?の翌週、
また平日が始まった頃には
渡邉さんは付き合っているという噂が
広まりまくっていた。
ニセの彼女作戦は見事に成功したようで
理佐ちゃんに告白してくる人も
だいぶ減った。
理佐:「休み時間があるって良いね~(笑)」
由依:「理佐ちゃん休み時間は毎回告白されに行ってたもんね~」
理佐:「毎回は大げさだよ(笑)」
由依:「いや事実だから(笑)」
理佐:「うーん」
「まぁそっか?」
由依:「あ、認めた(笑)」
理佐:「えっへへ~」
「卒業までよろしくね!」
「由依ちゃん!」
由依:「はーい(笑)」
卒業まで、か…
🌸💭
桜を見に行った日の帰り道、
理佐ちゃんに言われた。
理佐:「由依ちゃんあのね、」
由依:「ん、なに?」
あれっ
今度は呼び捨てじゃないんだ…
理佐:「聞いてほしいことがあって。」
由依:「うん」
理佐:「彼女のフリをしてくれるにあたって、
いくつかお願いがあるの」
由依:「お願い…??」
さっきのハイテンションが嘘かのように
理佐ちゃんは淡々と言葉を並べた。
”彼女のフリは高校卒業まで”
”桜の散る頃には他人に戻ること”
”本当に好きにはならないこと”
由依:「…なんで?」
なんで、
そんな短い言葉だけでは
何を聞きたいのか分からないだろうけど、
私には今、それしか
言葉が思いつかなかった。
理佐:「んーとね、」
「私、卒業したら上京するんだ」」
「由依ちゃんは地元に残るでしょ?」
由依:「そうだけど…」
看護学校への進学が少し前に決まっていた。
理佐:「そうしたらもう会えなくなる」
「会えないのに、こんな関係続けてたら苦しいだけじゃない?」
由依:「…会えないの?」
理佐:「会わない」
由依:「会いたくても?」
理佐:「うん」
「誰にも会わないって決めてるの」
由依:「なんで…」
理佐:「傷つくのは嫌だから。」
由依:「傷つく…?」
理佐ちゃんが小さく頷く。
決意の固まり切った頷きを見て
それ以上はもう、
何も言えなかった。
彼女のフリが卒業までなのは、
まぁ元々
理佐ちゃんが告白されまくるのを防ぐために
始めたことだから
納得できる。
でも。
私は卒業した後も仲良くしていたかったし。
会いたいって思ったらまた
二人で会えるものだと思っていた。
それに、
もし…もし、
私が今、理佐ちゃんに対して
抱えているこの感情に
名前が付いたときに
それが「恋」だとしたら。
もう手遅れで。
きっと、いくらでも反論は出来た。
卒業しても、理佐ちゃんに会いたいよ?
遠くに住んでたって私たちは変わらないでしょ?
…なんて、
言えたらよかった。
由依:「…そっか、」
「分かった。」
「卒業までの、期間限定彼女ね!」
理佐:「うん。」
「ありがとう由依ちゃん」
ただ、
自分が傷つくことより、
理佐ちゃんの気持ちを優先したかっただけ。
大好きだから。
…だから、
今は単純に
君を傷つけたくないんだって
自分の心に言い聞かせておくね。
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純玲のつぶやき
お話が急展開しましたね…
ちなみに🌸以下は回想シーンですよ~
皆さんは、好きな人からなんて呼ばれたいですか?
呼び捨て?ちゃん付け?それともあだ名?
好きな人が発する自分の名前って
なんだかいつもより輝いて聞こえますよね。
…って誰かが言ってました(笑)
一話から続けて読んでくださっている方って
どのくらいいるんでしょう💭
いつもいいね押してくださっている方、
見てますよ(怖い)
うわぁ今日も読んでくださってるー!
的な感情になりますありがとうございます
この話から見つけたよ~という方も
ぜひ一話からじっくり読んでいただけると
嬉しいな~
では!良い土日をお過ごしください!
またね