理佐:「由依はさ、タイプとかないの?」
由依:「タイプ…ポケモンかなんか?」
理佐:「そんなわけ(笑)」
由依:「えっ?違うの?」
理佐:「…え?(笑)」
由依:「水タイプとか~?」
卒業式、何日後だったかな…
はっきりと文字にして数えるのは
ちょっと辛くて、
最近はカレンダーを見ていない。
だけど教室から見える桜の木は
着々とお祝いの準備を進めていて
もういっそのこと、
桜なんて、咲かないでくれたら…
なんて、叶いもしない願望は
まだ真冬気分の私の中に溶けていった。
理佐:「うっ、」
由依:「どうした?大丈夫?」
理佐:「うん、何でもない(笑)」
また、だ。
理佐ちゃんは、時々どこかが痛むようで。
本人的には環境の変化が原因らしいけど
どうしても心配になってしまう。
由依:「痛いの治らないんだったら病院行った方が…」
理佐:「分かってる」
「でも大丈夫だから。」
私には言えない事情があるのか、
それとも…
由依:「あ!」
理佐:「うん?」
由依:「分かった理佐ちゃん!」
「注射怖いんでしょ!」
理佐:「え…?」
由依:「そうかそうか~理佐ちゃんにも怖いものあるんだ~」
理佐:「いーや!」
「怖くなんかないもん!!」
由依:「理佐ちゃん強がりだぁ~」
理佐:「強がりじゃないもんっ!!」
あ、やばい
理佐ちゃんをイジるの楽しい(笑)
お口がむーって膨らんだ理佐ちゃんは
いつもに増してかわいい
…というか幼い?のか
由依:「今思い出したんだけどさ、」
理佐:「うん」
由依:「私ね、小さいとき入院してたんだ」
理佐:「入院…」
由依:「結構 長い間学校で過ごしててね、
あんまり学校にも行けてなくて。
理佐:「うん。」
理佐ちゃんのこちらを見る目が
すごく、優しかった。
由依:「毎日のように検査あるし、
ご飯も好きなもの出ないし、」
「もうこんなところ嫌だ!って思ってたの。」
理佐:「そう、だね」
由依:「病院ってどこもそうだよね(笑)」
「…でも、」
それまで胸の底にしまい込んでいた
あの頃の記憶があふれ出してくる。
由依:「いつだったかな、同じ病室に女の子が来て。」
「お友達になろうって、声をかけてくれたの」
「その子も長いこと入院してたみたいで、
お互いに嫌だね~って言いあったり
明日も頑張ろうねって励ましあったり」
「私が先に退院しちゃったから、
その子が今どうしてるのかは全然分からない」
そうだ、
あの子…
「あの子」は、
今どうしてるんだろう
名前、
なんだったかな…
理佐:「…そっか、」
由依:「ごめん、急にこんな話(笑)」
理佐:「ううん。」
「その子もきっと由依に助けられたと思うよ?」
由依:「そうだと良いな。」
理佐:「絶対そうだよー!」
「私にはわかる!!」
由依:「自信満々だね(笑)」
「じゃあそういうことにしとく!」
理佐:「…どんな子なの?」
由依:「うーん、」
「毎日一緒だったし、その子といると
すごく楽しかった…のは覚えてるんだけど」
「いつも大きいマスクしてたから顔が分からないんだよね」
「でもきっと、すごく綺麗な子。」
理佐:「そうなんだね~」
「また…会いたい、とか思わない?」
由依:「会いたいよ?」
「…だけど」
「きっと会ったら離れられなくなっちゃう。」
理佐:「そっか…」
「大切な人なんだね」
由依:「うん。」
「その子には絶対に幸せでいてほしい」
「もちろん…理佐も、ね?」
理佐ちゃんが柔らかく微笑んで頷く。
理佐:「私は、すごく幸せだよ~」
「由依と一緒にいれるんだもん」
いつからだろう。
桜の木を見て、
寂しいという感情を抱くようになったのは。
咲いたばかりの桜の花びらは
少し風に揺られるだけで散っていく。
あの花は、
理佐ちゃんと過ごせる
短いくて儚い時間なのかもしれない。
私の隣の
桜のようなあなたといられる時間も
あと少し。
理佐:「ねぇ由依…」
「不意な呼び捨てダメだって言ったじゃん」
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純玲のつぶやき
皆さんお久しぶりです!
無事に?なんとか?1週間を乗り越えました!
もう気が付いたら6月が近いんですね
物事に追われるばかりの日々じゃなくて
物事と一緒にスキップするくらいの
心の余裕を持って生きたいな(?)
あ、すみません、冒頭のタイプの話は
結構本気でお話に関係ありません(笑)
深読みしなくて大丈夫です
もう少し、綺麗な文章書けたらいいんですが
難しいですね…
いつも拙い私の文章を読んでくださって
本当にありがとうございます!
ではでは。
明日も良い日になりますように