先日、母の遺品の和服の整理をしました。
日本舞踊を40年以上続けていた母の箪笥には
数えきれないほどの着物と帯、そして和装小物がぎっしり。
肌着や旅、腰紐、帯枕、伊達巻き‥その一つ一つに
母が暮らしていた時間がそのまま詰まっていました。
母が亡くなり程なくして孫の宮参りで
娘が
「着物を着たい」
と言った時、初めて私が全てを準備をすることに。
私も冠婚葬祭で和服を着ることはありましたが
いつも「母に聞けばいいか」と甘えていて
何がどれだけ必要か把握していませんでした。
まず足袋の引き出しを見て
「こんなに‥」
数えたら20数足。
同じ白の足袋を20足以上の中からペアにするのは神経衰弱よりも難しい。
そんな中「使う分だけ残せばいい」と思い直し
その場で綺麗な数足だけを残して他は手放すことにしました。
母が生前、足袋が擦り切れるほどお稽古をしていた姿を思うと涙も出ましたが
母ならきっと
「使いやすくして使ってくれた方が嬉しい」
と言ってくれる気がして
感謝を込めて丁寧に手放しました。
整理を終えた今、
残した小物達は次に着たい時のために
使いやすく一箇所にまとめて収納しています。
和装離れが進む今
着物を着る機会が減っている理由の一つは
「準備の大変さ」
かもしれません。
でも着物を着るたびに、その所作や佇まいに背筋が伸び
「和装っていいな」
と感じます。
だからこそ
ものを使いやすい形で整えておくことは
“暮らしの中の美しさ“を守ること
でもあると思うのです。
モノは使うためにある。
ものが多過ぎて使えないのは
モノにとっても私たちにとっても幸せではありません。
母の着物を整理したこの機会に、私自身も
「持つ量を見直し、使いやすく整える」
ことの大切さを改めて感じました。
そして娘たちにも
“和の心“ と “モノを大切にする暮らし方“
を伝えていけたらと思います。

